映画・DVDを、管理人の独断と偏見で辛口評価!たまに音楽・書籍評価もあります。

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チェ 39歳 別れの手紙

2009 - 02/01 [Sun] - 21:10

「チェ 39歳 別れの手紙」★★★☆
原題:Che: Part Two
監督:スティーブン・ソダーバーグ
製作:スペイン・フランス・アメリカ、2008年
出演:ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム、デミアン・ビチル、ヨアキム・デ・アルメイダ、エルビラ・ミンゲス、フランカ・ポテンテ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ルー・ダイアモンド・フィリップス、マット・デイモン、他
che39
キューバ革命を成功させるや、新たな活動の地として、ボリビアへと向かったチェ・ゲバラ。バリエントス大統領による独裁政権を打ち砕こうとゲリラ軍を率いるチェだったが、米政府の協力を得た政府軍の猛攻撃にさらされる。【MovieWalker】

20世紀最大の革命家と呼ばれた、チェ・ゲバラの生涯を描く2部作の後編。ほんの3週間程前に彼の存在をまじまじと知ることになった前編「チェ 28歳の革命」では、キューバ革命へと突き進む過程をドラマチックに見せ付けられ、彼の“生”の部分を脳裏に深く刻み込まれた。今回の後編である「チェ 39歳 別れの手紙」では、キューバ革命後もなお世界の革命を指導することに闘志を燃やし、ボリビアに潜入し、ゲリラ軍を率いボリビア政府軍と死闘を繰り広げ、負傷し捕えられて処刑されるまでの“死”の部分を知ることになる…。1965年3月に突然姿を消してしまったゲバラ。カストロは委員会でゲバラからの別れの手紙を公表することになる。どんな気持ちで彼がこの手紙を書き、どんな想いで彼はキューバーを旅立ち、変装してまでボリビアに潜入し、高い志を掲げて戦いに挑んでいくのかが文面から伝わってくる。ボリビアでのキューバ革命同様に、ゲリラ兵士を訓練し、農民達に敬意を払い、革命を成し遂げようとするゲバラの強い意志を感じる。しかし状況はキューバの時とは違い、支援を打ち切られてしまい孤立し、敵の攻撃が激化していく。それでも彼は理想を高く掲げたまま勇敢に戦った。そんな戦火の中で戦うこと自体が無謀かもしれないが、そんな不利な状況下でも信念曲げずに革命を成し遂げようとした姿こそが、チェ・ゲバラという男の真の革命家としての真髄だったのかもしれないと感じた。前作で感じた彼の理想や信念を知っただけに、今回描かれている彼の生き様があまりにも切なくて悲しい。人間の無限の可能性を信じ、戦いに敗れて死んでいった男の本質が窺えた作品。前作と合わせて鑑賞することをオススメします。

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誰も守ってくれない

2009 - 01/28 [Wed] - 21:34

「誰も守ってくれない」★★★☆
監督:君塚良一
製作:日本、2008年
出演:佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、津田寛治、東貴博、冨浦智嗣、木村佳乃、柳葉敏郎、他
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小学生姉妹殺害事件の容疑者として未成年の少年が逮捕され、その家族である船村一家の保護を命じられた勝浦刑事。容疑者の妹・沙織を担当する彼だが、マスコミや“ネットの住民”からの執拗な追跡を受けることに。【MovieWalker】

第32回モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を受賞した作品。この手の刑事ものの作品ならば、通常は事件の被害者を描いたものが大半なのだが、この作品は事件の加害者を描く異色の内容となっている。ボクの記憶では、あまり加害者側を描いた内容の作品は観たことがないように思う。ある事件で殺人者の妹となってしまった一人の少女と、彼女の保護をしながら逃避行する刑事の姿を映し出していくのだが、その背景には現在の社会が抱える様々な理不尽さが浮き彫りとなっていく。 容疑者の家族を守る刑事が存在するということを、この作品を観賞して初めて知りました。公には認められていないが、警察内部にはそのようなものが存在するらしい。率直な意見なのだが、国民の税金を使い加害者の家族を保護するということに抵抗があった。罪のない人を殺し、しかも保護するというのは難しい問題のように感じられる。事件が起これば必然的にマスコミなどの激しい取材合戦が始まる。過剰なまでの取材は、加害者の家族をとことん追い詰めていくもの。所在地はもちろんのこと、現代ではネットなどで簡単に個人情報までもが赤裸々にされてしまう。ネットの怖ろしさというものをこの作品では身に沁みて感じてしまう。祭りと騒ぎたて未成年の少女の写真を露にし、姿の見えない亡者のように追い詰めていく…。散々祭りたてておきながら、新たな事件が起きれば興味がすぐに切り替わる様子は遺憾に思う。プライバシーというものが現代社会では全くないのかと、この二人の逃亡を通じて痛感させられる。匿名という武器で誹謗中傷するネットや、過剰なまでのマスコミの取材は、人の痛みというものを知らない者のすることのように思えてならない。手持ちカメラでの撮影方法は、ドキュメンタリータッチの映像で緊迫感がある。佐藤浩市はあいかわらずの芸達者ぶりで、相手役の志田未来の演技は行き場のない怒りや悲しみをうったえかけてくる。この二人の圧倒的なまでの演技とは対照的に、なぜか松田龍平の演技が妙に光っているように感じられるのが不思議でならない?年々、未成年者による殺人事件が増えてきており、それを報道するマスコミ各社のあり方を深く考えさせられる内容であり、なかなか見応えのあった作品。

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チェ 28歳の革命

2009 - 01/12 [Mon] - 20:15

「チェ 28歳の革命」★★★★
原題:Che: Part One
監督:スティーブン・ソダーバーグ
製作:スペイン、フランス、アメリカ、2008年
出演:ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ジュリア・オーモンド、他
che28
若きアルゼンチン人医師チェは、独裁政権に苦しむキューバでの革命を準備するカストロ兄弟と出会う。わずか80人弱で2万もの政府軍を相手にした戦いに臨もうとする彼らの作戦に、チェは参加を決意する。【MovieWalker】

キュバ革命の英雄、チェ・ゲバラの半生を描いた2部作の1作目。徹底的にリアリティーを追求し、派手さはないのだがなぜこんなにもチェ・ゲバラという人物が人々から愛され続け、伝説的な革命家となったかを、ドキュメンタリー的要素を含めた映像で描いていく。チェ・ゲバラという人物を、ボクは正直あまり知りませんでした。フィデル・カストロと共にキューバに革命をもたらした人物。またはTシャツなどに描かれている人物程度の知識しかありませんでした。この作品を観賞するならば、チェ・ゲバラという人物をある程度知らなければ、少々受け止め方が違ってくることだろう。ボクも予備知識があれば、きっと評価はもっと高かっただろうと感じています。カストロとの運命的な出会い、たった82人でグランマ号に乗り込み海を渡りゲリラ戦に挑んだ日々、そしてもっとも印象的だったシーンである、1964年に開催された国連演説での痛烈な北米帝国主義への批判。白黒とカラーなどの映像を織り交ぜながら、異なる時代を鮮明に描いていく。ゲリラ戦などには派手さは全く感じられず、本当の戦場でのリアリティーが映像から伝わってくる。2万人ものキューバ政府軍に挑む中でも、人々に愛情を持って接し、読み書きを若い兵士達に教え、理想を追い求めていく姿がカッコイイ。しかし、革命家といえば響きがいいが、一つ間違えば革命家からテロリストになってしまう虞がある。偏見的な考えかもしれないが、9.11以降だとこういった考えを持つのも普通ではないかと個人的には思えてならない。チェ・ゲバラを全身全霊で演じたベニチオ・デル・トロの迫真の演技が最大の見所。波乱に満ちた39年の人生の生を描いた今作は、間違いなく本気で世界を変えようとした男の魂が伝わってくる作品。

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地球が静止する日

2008 - 12/20 [Sat] - 11:57

「地球が静止する日」★★★
原題:The Day the Earth Stood Still
監督:スコット・デリクソン
製作:アメリカ、2008年
出演:キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス、キャシー・ベイツ、ジョン・ハム、他
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宇宙からの訪問者クラトゥが巨大な球体とともに地球に降り立った。彼は友好の使者か、それとも人類の敵なのか。科学者ヘレンは政府の依頼でクラトゥの真意を探るが、地上ですさまじい現象が起こる。【MovieWalker】

ロバート・ワイズ監督が1951年に発表した「地球の静止する日」をベースにし、キアヌ・リーブス主演でリメイクされたSFアクション。約半世紀前の古典的なSF作品を、最新のCG技術を用いて現代風に解釈されている。宇宙人の登場=SF作品という概念が個人的にはあるので、今回の予告編などの映像を観る限りでは楽しみにしていました。しかし、楽しみにさせられた予告編での映像の大半が、作品自体の見所となってしまっているために、いまひとつ鑑賞中楽しむことができなかったのが残念。キアヌ・リーブス演じるクラトゥは、「もう待てない」と冷酷に最後勧告を人類に宣告しに来る。それにしてもキアヌ・リーブスはSFが良く似合う役者だと感じる。今回演じたクラトゥは、ほとんど無表情なのだが、それがより一層に人間とは違った生物であるということを表現している。様々な能力を使う万能な生物に対して、ある女性博士とその義理の息子がクラトゥの任務に巻き込まれていく。自分達の愚かな過ちのせいで、地球が死にかけている。そのことに対してもう待てないと言い放つクラトゥに対して、人類はきっと変われるはずと訴えるヘレン。唯一の理解者であるヘレンの懇願を、クラトゥがどう対処していくかが大きな作品のテーマでもあり、我々に対する問いかけのように感じる。クラトゥと共に地球に降り立った巨大ロボットが、アイアンマンに見えてしまい笑いそうになった。銀色をした微粒子のような物体が、イナゴの形をしているというのもなんだか意味不明だったのだが、ヘレンが私達は変われるはずと必死に懇願するたびに、どこかのお国の大統領さんの言葉を思い出してしまうのはボクだけだろうか???取り立てて真新しい部分はないように感じられる作品というのが率直な感想です。

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特命係長 只野仁 最後の劇場版

2008 - 12/10 [Wed] - 12:01

「特命係長 只野仁 最後の劇場版」★★
監督:植田尚
製作:日本、2008年
出演:高橋克典、櫻井淳子、永井大、蛯原友里、田山涼成、秋山莉奈、西川史子、赤井英和、三浦理恵子、梅宮辰夫、他
tadano
広告代理店・電王堂の会長直属“特命係長”である只野仁に新たな命令が下される。その内容は同社のイベントのメインキャラを務めるアイドルの警護と身辺調査で、彼女は“暗黒王子”を名乗る人物から脅迫を受けていた。【MovieWalker】

柳沢きみおの同名コミックを原作としたドラマが放送されてから、熱狂的なファンが増え続けていきシリーズ化され、今回ついに劇場版までなってしまった人気作品。深夜に放送されていたのですが、シリーズ全部夜な夜な鑑賞していました。昼間は冴えない窓際係長。しかし会長から特命を受ければたちまちヒーローになってしまうという只野仁という男の物語。どう考えてみてもありえない設定や強引な場面などが多く、無駄にエロいシーンなどもある。しかしなぜかそんなおバカ作品なのだが、深夜の時間帯ということもありついつい見入ってしまいます。そんな深夜枠から飛び出し、映画化などという無謀な挑戦をしてしまったのですが、高橋克典を中心としたレギュラー陣は期待を裏切らない活躍?を見せてくれる。鍛え上げた肉体を駆使して、チェ・ホンマンとの対決が見物。こんなありえない対決を観れるのも楽しみとして考えなければ、この作品を観賞するのが厳しくなる。ただ今回は、ありえないことが更に起きてしまった。エビちゃん以上のヘタな演技は観れないだろうと思っていたら、西川史子というとんでもない勘違いな人物が現れてしまった。演技はもちろん酷すぎるのだが、あの濡れ場はもっと酷いとしか言いようがない。映画化するまでの作品ではないということを前提とし、この作品お約束シーンを楽しめる方だけが観ればいい作品だろう。やはり特命係長只野仁は、深夜枠に観るのが一番でしょう。◆映画ランキング◆

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トロピック・サンダー 史上最低の作戦

2008 - 11/26 [Wed] - 21:43

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」★★★
原題:Tropic Thunder
監督:ベン・スティラー
製作:アメリカ、2008年
出演:ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr.、ジャック・ブラック、ニック・ノルティ、スティーブ・クーガン、ジェイ・バルチェル、ダニー・マクブライド、ビル・ヘダー、ブランドン・T・ジャクソン、他
tropicthunder
落ち目のアクション・スター、下品な芸風のコメディアン、やり過ぎ演技派俳優という個性的な面々が共演する戦争映画が、予算オーバーのため撮影中止の危機に。だが、危険地帯のジャングルでロケが強行されてしまう。【MovieWalker】

ベン・スティラー監督&出演作品の戦争映画は、いかにもアメリカらしいおバカ作品に仕上がっている。共演のロバート・ダウニー・Jr.とジャック・ブラックという超個性派俳優との共演も話題だが、単純にチラシにこの三人が写っているだけでなんだか自然と笑えてきてしまうのが可笑しく、アメリカらしさが更に輪をかけて強調されているようにも感じられる。そんな三人のスターたちは、作品の中でもやりたい放題の問題児ばかり。そんな彼らが戦争映画の撮影のためにやってきたロケ地で事件は起きてしまう。落ち目のアクションスターのスピードマンは返り咲きのチャンスをこの作品に賭けている始末。オナラという下品なコメディで人気のポートノイは芸域を広げるのが目的。演技派のラザラスは、黒人軍曹の役作りのために肌を黒くする手術まで受ける。そんな問題児ばかりのスター同士だからこそ、撮影もなかなか進まずに現場の空気は最悪な状態。そんな悪循環のなか、とうとう予算オーバーしてしまい、監督が作品にリアリティーを持たせるために本物のジャングルの中に彼らを連れて行くのだが、そこから予測不可能な展開に陥ってしまう…。作品の中には様々な過去の作品に対するオマージュがあるのだが、どれもこれもブラックジョーク満載で冷や汗ものばかり。少々やり過ぎのようにも感じられる部分がとても多く、人によっては笑えないシーンも多々あることだろう。アメリカのコメディは大袈裟すぎる部分が強く、個人的には好き嫌いがハッキリとしてしまうことが多い。今回の笑いのセンスは評価したいのだが、どうもドン引き状態になってしまうことが多かったように感じられる。カメオ出演しているハゲでデブの特殊メイクをしているあの方は、頭がおかしくなったのかと思える程、激しく腰を振り踊り狂っている。その様は作品の中で一番ドン引きしてしまいました…。好き嫌いがハッキリ分かれる作品だが、色々な妄想をさせられた作品だったかもしれない。◆映画ランキング◆

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つぐない

2008 - 10/05 [Sun] - 22:44

「つぐない」DVD鑑賞★★★★
原題:Atonement
監督:ジョー・ライト
製作:イギリス、フランス、2007年
出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカボイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、バネッサ・レッドグレイブ、ブレンダ・ブレッシン、パトリック・ケネディ、ハリエット・ウォルター、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュノー・テンプル、ジーナ・マッキー、ジェレミー・レニエ、他

つぐないつぐない
(2008/09/26)
キーラ・ナイトレイジェームズ・マカヴォイ

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1935年、英国の令嬢セシーリアが、妹ブライオニーの嘘によって愛し合うロビーとの仲を引き裂かれてしまう。4年後、ロビーはセシーリアとの再会を夢見て戦場をさまよい、ブライオニーは罪悪感に苦しむのだった。【MovieWalker】

イギリスの作家であるイアン・マキューアンの「贖罪」を映画化した作品。この作品に秘められている残酷な部分と、とてつもなく切ない部分が画面全体から溢れ出し、鑑賞中負の要素を美しく堪能したような不思議な感覚に陥る…。舞台は1935年のイングランド。政府官僚の娘である13歳のブライオニーは、将来作家になることを夢見ていた。そんな彼女が、姉であるセシーリアと使用人の息子で幼なじみのロビーとのいさかいを目撃してしまう。ロビーに密かに恋心を抱いていた彼女は、二人のただならぬ空気を敏感に感じ取り、ロビーに対して強い警戒心を持つようになる。そこからある事件が起き、ブライオニーは嫉妬と勘違いからある嘘をついてしまう。そのたった一つの嘘から、セシーリアとロビーの中は無残にも引き裂かれてしまい、人生までも大きく変えてしまう。嘘が致命的な結末をもたらすことはよくある話だろう。たった一つの嘘が、人の人生を大きく左右してしまう。いくら幼いとはいえども、時として許されないこともあるだろう。やり切れない想いを抱きながら生きていくのはどんなに辛いことだろう。幼いが故に生じた罪をつぐなうことすら出来ずに、戦争という悲惨な出来事がつぐなう機会すら奪い去ってしまう。この残酷な展開は一見ありがちかもしれないが、ブライオニーが選択したつぐないを知ることにより、物語に対する意味も一気に変化していく。このつぐないという作品に込められたテーマの重さに、悲痛な面持ちになってしまった。嘘の背景にいくつもの不幸が重なり、とても心がせつなくなった作品。女の嫉妬は、世の中で一番恐ろしく醜いものであると思う。◆映画ランキング◆

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デトロイト・メタル・シティ

2008 - 08/28 [Thu] - 16:00

「デトロイト・メタル・シティ」★★★☆
監督:李闘士男
製作:日本、2008年
出演:松山ケンイチ、加藤ローサ、細田よしひこ、秋山竜次、松雪泰子、鈴木一真、高橋一生、宮崎美子、大倉孝二、岡田義徳、ジーン・シモンズ、他
DMC
オシャレ系ミュージシャンを夢見る根岸は、自分の意思とは裏腹にデスメタルバンド、デトロイト・メタル・シティのボーカル、ヨハネ・クラウザーII世をやらされている。根岸はそんな状況に次第に苦悩を深めてゆく。【MovieWalker】

若杉公徳原作の大人気コミックを実写化した青春爆笑コメディー作品。原作はいつもの如く未読ですが、何も知らずに鑑賞したことによってクラウザーさんを思う存分楽しめた気がします。小沢健二やコーネリアスなどのおしゃれな渋谷系ポップミュージシャンを目指して、大分県から上京した心優しき青年・根岸崇一。「NO MUSIC NO DREAM」というキャッチフレーズを胸に抱き、デスレコーズの新人ミュージシャン募集に応募する。しかしそこで待ち受けていたのは、本人の意志を無視して悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」通称DMCのギター&ボーカル「ヨハネ・クラウザー・II世」として売り出され活躍してしまうという皮肉な運命。自分がやりたい事とは全く別な運命を辿ってしまうことはよくある話だが、カリスマ的存在にまでなってしまうと、もう後戻りはできなくなる。普段はおとなしく優しい青年だからこそ、実際の自分とのギャップに悩む姿が好感が持てる。ただ、本当にやりたかったポップミュージックを歌う姿は、腰をクネクネしている姿が観ていて大変気持ちが悪い。しかし一旦メイクを施し衣装を着れば、全く別人格のヨハネ・クラウザー・II世としてステージに降臨し多いに盛り上げてくれる。この二面性を松山ケンイチが見事に演じ分けている。デスノートでのLもそうだったが、本当に松山ケンイチという役者は原作物のキャラを演じさせたら右に出る者がいない。KISSのボーカル、ジーン・シモンズが本作に出演しクラウザーさんとシャウトバトルしている姿が印象的。いくつかのパフォーマンスなどはKISSに対するオマージュなのだろうが、本家との対決に関しては、実力差が隠せなかったのも事実であろう。社長役の松雪泰子のバイオレンス具合は、どうも白鳥麗子に重なって見えてしまい、岡田義徳はうっちーに役がダブって見える。脚本的にはあまり優れているようには思えなく音楽も全然デスメタルではないのだが、単純に笑いやライブパフォーマンスなどを楽しむ分には十分。個人的にはツボだった作品です。◆映画ランキング◆

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ダークナイト

2008 - 08/10 [Sun] - 19:01

「ダークナイト」★★★★☆
原題:The Dark Knight
監督:クリストファー・ノーラン
製作:アメリカ、2008年
出演: クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、マギー・ギレンホール、アーロン・エッカート、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、ネスター・カーボネル、キリアン・マーフィ、エリック・ロバーツ、アンソニー・マイケル・ホール、他
The Dark Knight
ゴッサムシティを苦しめていた犯罪集団を倒し続けるバットマンことブルース・ウェイン。警部補と地方検事の力を借りて犯罪集団をおさえ込むことに成功した彼の前に、凶悪な犯罪者ジョーカーが出現、町は再び混乱に陥る。【MovieWalker】

新生バットマンシリーズ第2弾である「ダークナイト」は「バットマン ビギンズ」の続編。主演であるクリスチャン・ベールを筆頭に今回も多くの大物俳優達が出演しているが、注目すべき人はなんといってもバットマンの宿敵でもあるジョーカー役を怪演したヒース・レジャー。彼の圧倒的なまでの存在感なくして、この作品を語ることはできないであろう。作品のタイトルから「バットマン」という言葉を外し、これまでのバットマンにはなかった新しい世界観を作り出し、より一層ダークな世界を堪能できる。前作「バットマン ビギンズ」のエンディングで示唆された、バットマンの最凶最悪の宿敵であるジョーカーが大暴れして、ゴッサムシティを究極の悪に染め上げていき人々を恐怖のどん底へと追い込んでいく。バットマンの副作用ともいえるであろうジョーカーの登場によって、バットマンことブルース・ウェインの苦悩はどんどん募っていくばかり。ヒーローといえども生身の身体にはいくつもの傷がたえない。そんな中、バットマンとしてではなく、一人の人間として悩み傷つく姿が垣間見れる。ある意味、終わりなき悪との戦いに疲れ、その役目を新たなヒーローに委ねたいという気持ちが伝わってくる。一方宿敵であるジョーカーの存在は、旧作で名優ジャック・ニコルソンが一つの完成形として存在していた。前者を極彩色豊かな道化と例えるならば、今回のヒース・レジャー演じるジョーカーは風貌などは地味で冴えないかもしれないが、一瞬でこちらを凍りつかせてしまうほどの鋭い恐怖の刃の持ち主。陽気なピエロの中に見え隠れするアナーキズムからは純粋な悪を感じ取れる。純粋な悪ほどに怖いものはなく、頭のキレもよく一切のルールが通用しない。そんな倫理観の欠如でバットマンを追い込んでいく。悪と正義の両方に揺さぶりをかけて混乱を招く姿が印象的。今回は間違いなくジョーカーこそが主役であると感じずにはいられない程の存在感は圧巻です。もう一人の新たな登場人物であるトゥーフェイスこと地方検事補ハーベイ・デント。彼は犯罪が蔓延るゴッサムシティの希望の光であり白騎士の存在。黒騎士であるバットマンとは対照的な存在にあり、彼らが恋するレイチェルとの三角関係が物語に更なる1ページを刻み付ける。また、バットマン、ジョーカー、トゥーフェイスの三角関係も見所の一つかもしれない。2時間半以上の長い上映時間だったが、時間を忘れさせるほどの圧倒的な映像に酔いしれた。しかしこれだけの長い時間を用いても、膨大な内容を詰め込むには時間がたりないように感じられ、あまりにもジョーカーの存在感が大きすぎて、ジョーカーの登場以外のシーンが薄く感じられ、トゥーフェイスの物語にもあまり感情移入できない部分があったのが残念。完全なる大人向けの作品であり、様々なパラドックスが散りばめられた極上のエンターテインメント作品。今年1月に亡くなったヒース・レジャーは、今回演じたジョーカーによって新たな伝説になったことだろう…。◆映画ランキング◆

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ドラゴン・キングダム

2008 - 07/28 [Mon] - 19:07

「ドラゴン・キングダム」★★★
原題:The Forbidden Kingdom
監督: ロブ・ミンコフ
製作:アメリカ、2008年
出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラーノ、リー・ビンビン、リュウ・イーフェイ、他
The Forbidden Kingdom
質屋の店主から手に入れた奇妙な杖の力で現代から古代の中国へ飛ばされたカンフーマニアのジェイソン。旅の途中で出会ったカンフーの達人、ルー・ヤンやサイレント・モンクからカンフーを習い、ジェイソンは杖を狙う悪党と戦うことに。【MovieWalker】

ジャッキー・チェンとジェット・リーのアクションスター同士の夢の共演がようやく叶った今作「ドラゴン・キングダム」は、西遊記などの中国文化のエッセンスを盛り込んだ内容に仕上がっている。この二大巨頭の共演ということで、今までにない壮絶なアクションシーンを期待していたのだが、内容はアメリカ人が好みそうなアクションやファンタジーを盛り込んだ単純な物語。カンフーオタクで孫悟空に憧れるアメリカ人の一人の少年が、ギャングに襲われ気がつくと古代中国にワープしているというなんともありえないファンタジー設定。そこで出会った武術の達人であるカンフーマスターとサイレント・モンクに導かれ、弱虫の殻を破り如意棒と共に復活する孫悟空を恐れる凶悪な将軍に挑んでいく。カンフーや少林寺などのテイストを一切無視して物語が進んでいくために、ジャッキー・チェンとジェット・リーのアクションを期待していたボクは、少々肩透かしをくらった結果になりました。主役は確かに冴えない少年ではあるが、脇役の見せ場はきちんと用意されている。わずか数分間ではあるのだが、ジャッキー・チェンvsジェット・リーの夢の対決が見られる。全体的にストーリーは本当につまらないものだが、この二人の華麗で美しい戦いが観られただけで個人的には大満足です。ジャッキーは数十年ぶりに酔拳を披露し、ジェットは多彩な棒術捌きを見せてくれる。武術の達人同士が攻防する姿は、華麗で美しく舞っているように見える。出来ることならば、二人のピークに対決シーンを堪能したかったものです…。内容は単調だが、一人二役や夢の対決が見れただけで幸せな気分になれた作品。◆映画ランキング◆

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プロフィール

ワールダー

Author:ワールダー
性別:男
年齢:30代前半
血液型:B型
好物:ビール、和食、刺身
趣味:映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、ドライブ、ビリヤード、スノーボード

*TBは承認制とさせていただきます。尚、不適切な表現などにつきましては、削除させていただきますのでご了承ください。

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