映画・DVDを、管理人の独断と偏見で辛口評価!たまに音楽・書籍評価もあります。

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つぐない

2008 - 10/05 [Sun] - 22:44

「つぐない」DVD鑑賞★★★★
原題:Atonement
監督:ジョー・ライト
製作:イギリス、フランス、2007年
出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカボイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、バネッサ・レッドグレイブ、ブレンダ・ブレッシン、パトリック・ケネディ、ハリエット・ウォルター、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュノー・テンプル、ジーナ・マッキー、ジェレミー・レニエ、他

つぐないつぐない
(2008/09/26)
キーラ・ナイトレイジェームズ・マカヴォイ

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1935年、英国の令嬢セシーリアが、妹ブライオニーの嘘によって愛し合うロビーとの仲を引き裂かれてしまう。4年後、ロビーはセシーリアとの再会を夢見て戦場をさまよい、ブライオニーは罪悪感に苦しむのだった。【MovieWalker】

イギリスの作家であるイアン・マキューアンの「贖罪」を映画化した作品。この作品に秘められている残酷な部分と、とてつもなく切ない部分が画面全体から溢れ出し、鑑賞中負の要素を美しく堪能したような不思議な感覚に陥る…。舞台は1935年のイングランド。政府官僚の娘である13歳のブライオニーは、将来作家になることを夢見ていた。そんな彼女が、姉であるセシーリアと使用人の息子で幼なじみのロビーとのいさかいを目撃してしまう。ロビーに密かに恋心を抱いていた彼女は、二人のただならぬ空気を敏感に感じ取り、ロビーに対して強い警戒心を持つようになる。そこからある事件が起き、ブライオニーは嫉妬と勘違いからある嘘をついてしまう。そのたった一つの嘘から、セシーリアとロビーの中は無残にも引き裂かれてしまい、人生までも大きく変えてしまう。嘘が致命的な結末をもたらすことはよくある話だろう。たった一つの嘘が、人の人生を大きく左右してしまう。いくら幼いとはいえども、時として許されないこともあるだろう。やり切れない想いを抱きながら生きていくのはどんなに辛いことだろう。幼いが故に生じた罪をつぐなうことすら出来ずに、戦争という悲惨な出来事がつぐなう機会すら奪い去ってしまう。この残酷な展開は一見ありがちかもしれないが、ブライオニーが選択したつぐないを知ることにより、物語に対する意味も一気に変化していく。このつぐないという作品に込められたテーマの重さに、悲痛な面持ちになってしまった。嘘の背景にいくつもの不幸が重なり、とても心がせつなくなった作品。女の嫉妬は、世の中で一番恐ろしく醜いものであると思う。◆映画ランキング◆

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デトロイト・メタル・シティ

2008 - 08/28 [Thu] - 16:00

「デトロイト・メタル・シティ」★★★☆
監督:李闘士男
製作:日本、2008年
出演:松山ケンイチ、加藤ローサ、細田よしひこ、秋山竜次、松雪泰子、鈴木一真、高橋一生、宮崎美子、大倉孝二、岡田義徳、ジーン・シモンズ、他
DMC
オシャレ系ミュージシャンを夢見る根岸は、自分の意思とは裏腹にデスメタルバンド、デトロイト・メタル・シティのボーカル、ヨハネ・クラウザーII世をやらされている。根岸はそんな状況に次第に苦悩を深めてゆく。【MovieWalker】

若杉公徳原作の大人気コミックを実写化した青春爆笑コメディー作品。原作はいつもの如く未読ですが、何も知らずに鑑賞したことによってクラウザーさんを思う存分楽しめた気がします。小沢健二やコーネリアスなどのおしゃれな渋谷系ポップミュージシャンを目指して、大分県から上京した心優しき青年・根岸崇一。「NO MUSIC NO DREAM」というキャッチフレーズを胸に抱き、デスレコーズの新人ミュージシャン募集に応募する。しかしそこで待ち受けていたのは、本人の意志を無視して悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」通称DMCのギター&ボーカル「ヨハネ・クラウザー・II世」として売り出され活躍してしまうという皮肉な運命。自分がやりたい事とは全く別な運命を辿ってしまうことはよくある話だが、カリスマ的存在にまでなってしまうと、もう後戻りはできなくなる。普段はおとなしく優しい青年だからこそ、実際の自分とのギャップに悩む姿が好感が持てる。ただ、本当にやりたかったポップミュージックを歌う姿は、腰をクネクネしている姿が観ていて大変気持ちが悪い。しかし一旦メイクを施し衣装を着れば、全く別人格のヨハネ・クラウザー・II世としてステージに降臨し多いに盛り上げてくれる。この二面性を松山ケンイチが見事に演じ分けている。デスノートでのLもそうだったが、本当に松山ケンイチという役者は原作物のキャラを演じさせたら右に出る者がいない。KISSのボーカル、ジーン・シモンズが本作に出演しクラウザーさんとシャウトバトルしている姿が印象的。いくつかのパフォーマンスなどはKISSに対するオマージュなのだろうが、本家との対決に関しては、実力差が隠せなかったのも事実であろう。社長役の松雪泰子のバイオレンス具合は、どうも白鳥麗子に重なって見えてしまい、岡田義徳はうっちーに役がダブって見える。脚本的にはあまり優れているようには思えなく音楽も全然デスメタルではないのだが、単純に笑いやライブパフォーマンスなどを楽しむ分には十分。個人的にはツボだった作品です。◆映画ランキング◆

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ダークナイト

2008 - 08/10 [Sun] - 19:01

「ダークナイト」★★★★☆
原題:The Dark Knight
監督:クリストファー・ノーラン
製作:アメリカ、2008年
出演: クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、マギー・ギレンホール、アーロン・エッカート、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、ネスター・カーボネル、キリアン・マーフィ、エリック・ロバーツ、アンソニー・マイケル・ホール、他
The Dark Knight
ゴッサムシティを苦しめていた犯罪集団を倒し続けるバットマンことブルース・ウェイン。警部補と地方検事の力を借りて犯罪集団をおさえ込むことに成功した彼の前に、凶悪な犯罪者ジョーカーが出現、町は再び混乱に陥る。【MovieWalker】

新生バットマンシリーズ第2弾である「ダークナイト」は「バットマン ビギンズ」の続編。主演であるクリスチャン・ベールを筆頭に今回も多くの大物俳優達が出演しているが、注目すべき人はなんといってもバットマンの宿敵でもあるジョーカー役を怪演したヒース・レジャー。彼の圧倒的なまでの存在感なくして、この作品を語ることはできないであろう。作品のタイトルから「バットマン」という言葉を外し、これまでのバットマンにはなかった新しい世界観を作り出し、より一層ダークな世界を堪能できる。前作「バットマン ビギンズ」のエンディングで示唆された、バットマンの最凶最悪の宿敵であるジョーカーが大暴れして、ゴッサムシティを究極の悪に染め上げていき人々を恐怖のどん底へと追い込んでいく。バットマンの副作用ともいえるであろうジョーカーの登場によって、バットマンことブルース・ウェインの苦悩はどんどん募っていくばかり。ヒーローといえども生身の身体にはいくつもの傷がたえない。そんな中、バットマンとしてではなく、一人の人間として悩み傷つく姿が垣間見れる。ある意味、終わりなき悪との戦いに疲れ、その役目を新たなヒーローに委ねたいという気持ちが伝わってくる。一方宿敵であるジョーカーの存在は、旧作で名優ジャック・ニコルソンが一つの完成形として存在していた。前者を極彩色豊かな道化と例えるならば、今回のヒース・レジャー演じるジョーカーは風貌などは地味で冴えないかもしれないが、一瞬でこちらを凍りつかせてしまうほどの鋭い恐怖の刃の持ち主。陽気なピエロの中に見え隠れするアナーキズムからは純粋な悪を感じ取れる。純粋な悪ほどに怖いものはなく、頭のキレもよく一切のルールが通用しない。そんな倫理観の欠如でバットマンを追い込んでいく。悪と正義の両方に揺さぶりをかけて混乱を招く姿が印象的。今回は間違いなくジョーカーこそが主役であると感じずにはいられない程の存在感は圧巻です。もう一人の新たな登場人物であるトゥーフェイスこと地方検事補ハーベイ・デント。彼は犯罪が蔓延るゴッサムシティの希望の光であり白騎士の存在。黒騎士であるバットマンとは対照的な存在にあり、彼らが恋するレイチェルとの三角関係が物語に更なる1ページを刻み付ける。また、バットマン、ジョーカー、トゥーフェイスの三角関係も見所の一つかもしれない。2時間半以上の長い上映時間だったが、時間を忘れさせるほどの圧倒的な映像に酔いしれた。しかしこれだけの長い時間を用いても、膨大な内容を詰め込むには時間がたりないように感じられ、あまりにもジョーカーの存在感が大きすぎて、ジョーカーの登場以外のシーンが薄く感じられ、トゥーフェイスの物語にもあまり感情移入できない部分があったのが残念。完全なる大人向けの作品であり、様々なパラドックスが散りばめられた極上のエンターテインメント作品。今年1月に亡くなったヒース・レジャーは、今回演じたジョーカーによって新たな伝説になったことだろう…。◆映画ランキング◆

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ドラゴン・キングダム

2008 - 07/28 [Mon] - 19:07

「ドラゴン・キングダム」★★★
原題:The Forbidden Kingdom
監督: ロブ・ミンコフ
製作:アメリカ、2008年
出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラーノ、リー・ビンビン、リュウ・イーフェイ、他
The Forbidden Kingdom
質屋の店主から手に入れた奇妙な杖の力で現代から古代の中国へ飛ばされたカンフーマニアのジェイソン。旅の途中で出会ったカンフーの達人、ルー・ヤンやサイレント・モンクからカンフーを習い、ジェイソンは杖を狙う悪党と戦うことに。【MovieWalker】

ジャッキー・チェンとジェット・リーのアクションスター同士の夢の共演がようやく叶った今作「ドラゴン・キングダム」は、西遊記などの中国文化のエッセンスを盛り込んだ内容に仕上がっている。この二大巨頭の共演ということで、今までにない壮絶なアクションシーンを期待していたのだが、内容はアメリカ人が好みそうなアクションやファンタジーを盛り込んだ単純な物語。カンフーオタクで孫悟空に憧れるアメリカ人の一人の少年が、ギャングに襲われ気がつくと古代中国にワープしているというなんともありえないファンタジー設定。そこで出会った武術の達人であるカンフーマスターとサイレント・モンクに導かれ、弱虫の殻を破り如意棒と共に復活する孫悟空を恐れる凶悪な将軍に挑んでいく。カンフーや少林寺などのテイストを一切無視して物語が進んでいくために、ジャッキー・チェンとジェット・リーのアクションを期待していたボクは、少々肩透かしをくらった結果になりました。主役は確かに冴えない少年ではあるが、脇役の見せ場はきちんと用意されている。わずか数分間ではあるのだが、ジャッキー・チェンvsジェット・リーの夢の対決が見られる。全体的にストーリーは本当につまらないものだが、この二人の華麗で美しい戦いが観られただけで個人的には大満足です。ジャッキーは数十年ぶりに酔拳を披露し、ジェットは多彩な棒術捌きを見せてくれる。武術の達人同士が攻防する姿は、華麗で美しく舞っているように見える。出来ることならば、二人のピークに対決シーンを堪能したかったものです…。内容は単調だが、一人二役や夢の対決が見れただけで幸せな気分になれた作品。◆映画ランキング◆

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題名のない子守唄

2008 - 06/18 [Wed] - 18:19

「題名のない子守唄」DVD鑑賞★★★☆
原題:LA SCONOSCIUTA
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
製作:イタリア、2006年
出演:クセニア・ラパポルト、アンヘラ・モリーナ、マルゲリータ・ブイ、クラウディア・ジェリーニ、他
LA SCONOSCIUTA
イタリアのとある都市に現れた忌まわしい過去を持つ女、イレーナ。彼女は裕福なアダケル家にメイドとして雇われ、同家の4歳の娘テアと仲良くなる。しかし、そんなイレーナをしつこくつけ狙う、謎の男の影があった。【MovieWalker】

「ニュー・シネマ・パラダイス」、「マレーナ」などでお馴染みのジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多12部門にノミネートされたようなのだが、どこか火曜サスペンスやドロドロした昼ドラのような雰囲気をあわせ持つ作風。しかし、これが観始めると妙に惹かれていってしまい面白い。今回の作品はシチリアを離れて、詩人サバに「棘のある美しさ」と詠われた、北イタリアの港町トリエステ。この美しい街を舞台に、忌わしき過去を抱える美しい女・イレーナの、謎に満ちた人生を描いていく。冒頭から下着姿で仮面の女たちが登場するのだが、物語の経過とともにそこから数々の激しい性描写がフラッシュバックとして描かれている。SMなどのプレイも散りばめられている為に、女性を性のおもちゃとして描かれている部分が強調され、観る方によっては不快感を強く感じてしまうことだろう。不謹慎な発言かもしれないが、こういった過去を背負って生きている女性というものは、妙に惹かれる部分がある。主人公であるイレーナに対しても何処か緊迫感を持ちつつも、目的に対して手段を選ばずに行動していく姿に惹かれてしまう。情熱的で気性の激しい過去と、目的遂行の為に感情を殺している現在を、イレーナ役のクセニャ・ラポポルトが熱演している。全く別人のような一人の女性をここまで演じ分けできる演技力には脱帽です。序盤から謎だらけの展開ですが、少々杜撰な部分も正直見受けられる。しかし、クセニア・ラパポルトの演技力、エンニオ・モリコーネの奏でる音楽、美しい街などによって、最後までミステリアスな雰囲気を十分に堪能させられる作品。◆映画ランキング◆

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チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

2008 - 05/19 [Mon] - 17:30

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」★★★
原題:CHARLIE WILSON'S WAR
監督:マイク・ニコルズ
製作:アメリカ、2007年
出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、他
charlie
酒と女に目がないテキサス州選出の下院議員チャーリーが、ソ連の侵攻を受けたアフガニスタンの悲惨な現状を知る。やがて彼は、美人大富豪ジョアンやCIAのガストと組んで、極秘のソ連撃退作戦を実行しようとする。【MovieWalker】

冒頭の入浴しながらお酒を飲んでいるシーンを見て、軽いコメディタッチの社会派作品だと思い込んでいたら、全く逆の少々お堅い社会派作品でした…。実在したテキサス出身の下院議員であるチャーリー・ウィルソンが、世界情勢を劇的に変えた実話を基にした作品。政治よりも酒と女とドラッグに興味深々な政治家であるチャーリー・ウィルソンズ。ハッキリ言ってダメ人間の部類に入るであろう一人の人間が、アフガニスタンに侵攻したソ連軍を撤退させてしまうという、嘘のような本当の話。遊び大好きの田舎の議員が、冷戦終結の引き金をひいたとは、この作品を鑑賞するまでは全く知りませんでした。そんな破天荒な男であるチャーリー・ウィルソンズを、名優トム・ハンクスが演じているのだが、彼の持つ雰囲気が俗物的な存在でいて、英雄気取りしない姿を巧妙に演じきっている。そんな彼をサポートする事務所の女性たちは全員巨乳のチャーリーズ・エンジェルズと呼ばれる面々。彼女らがチャーリー・ウィルソンズ同様政治活動に目覚めて、アフガンの人々の為に武器弾薬を横流していく姿は、映像的にはどうも納得いかないものがある。全てにおいて細かい歴史描写や人物関係を省略し、下手にブラックユーモアを取り入れたあたりが個人的には気に入らない。一番気がかりなのは、どうしてチャーリー・ウィルソンズが、ここまでアフガン情勢に興味を持ったのかが、全く何も伝わってこない。詳しく当時の歴史を知らない限り、この作品の内容を把握するのが難しく、しかも決定的に感情移入することが出来ない。そこへいくらジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンの個性派俳優を絡めていっても、いまひとつしっくりと馴染まない。何処かおとぎ話を見ている感覚になってしまう。アメリカ側からの視点で全部を描いているせいか、結局はご都合主義的な作品に仕上がっているのが残念。作品の終盤に、アメリカの中途半端な対応が後の9.11に繋がっていくという反省も描いてはいるものの、やはり腑に落ちない部分が多かった。久々にスクリーンに登場したジュリア・ロバーツですが、つけまつ毛を安全ピンで整えていくシーンが怖すぎました。鑑賞前に、ある程度は歴史を勉強していったほうが楽しめるであろう作品。◆映画ランキング◆

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厨房で逢いましょう

2008 - 05/04 [Sun] - 22:43

「厨房で逢いましょう」DVD鑑賞★★★
原題:EDEN
監督:ミヒャエル・ホーフマン
製作:ドイツ、スイス、2006年
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ、シャルロット・ロシュ、デーヴィト・シュトリーゾフ、マックス・リュートリンガー、他
chubo
1児の母であるエデンが、グレゴアというシェフの料理に魅了され、彼の厨房に通い始めた。グレゴアはエデンにひそかな思いを寄せるが、2人の関係は噂となって広まり、彼女の夫が嫉妬心を抱く。【MovieWalker】

孤高の天才シェフが、平凡な主婦に恋をするほのかに甘く切ない大人のラブストーリー。料理に人生の大半を注ぎ込んできた天才シェフであるグレゴアは、美食と料理作りが生きがい。そんな彼のもとに、平凡な主婦エデンが現れたことによって、彼の運命が大きく変わり始めていく。彼の作り出す料理は、官能料理ことエロチック・キュイジーヌと呼ばれる創作料理。これは見ているだけでヨダレがこぼれ落ちてきそうになるくらいに美味しそうな料理です。こんな料理を、一度でいいからボクも食べてみたいものです。エロチック・キュイジーヌに恋心を詰め込み、毎週火曜日に厨房に訪れる平凡な主婦に食べてもらう。そんななんでもないことに、彼は喜びと幸せを感じ、ひとときの至福の時間に酔いしれる。そんな彼の美食を、子供のように無邪気に食べる彼女は、彼の料理によってHな気分になってしまう。しかしグレゴアは、デブでハゲで恋愛経験などほとんどない。ただ純粋に料理を食べている彼女の姿に満足している。女性という生き物は、そんな純粋で無頓着な部分を見過ごすことはない。自分の気持ちをエデンは消化しきれずに、夫にデザートを女体盛りするシーンは、見ていてなんとも複雑な心境にさせられる。女体盛りは憧れではあるが、実際にされたらきっとひいてしまいそうで怖い気がする…。美しい女性というものは、存在そのものが罪である時がある。しかも無自覚でいることは、男にとっては残酷すぎる。男女で大きなズレを感じる部分が強いのだが、そのズレこそがこの作品には刺激的なスパイスにもなっているように感じられる。微妙な距離が見ていてイライラすることもあるが、料理だけでも見る価値がある作品。◆映画ランキング◆

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転々

2008 - 04/27 [Sun] - 16:08

「転々」DVD鑑賞★★★☆
監督:三木聡
製作:日本、2007年
出演:オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、古高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、岸部一徳、鷲尾真知子、石原良純、広田レオナ、笹野高史、他
tenten
借金まみれの青年、文哉が、福原という借金取りから奇妙な取引を持ちかけられた。借金チャラの代わりに福原との散歩に付き合うはめになった文哉は、吉祥寺から霞ヶ関までの期限のない旅に出る。【MovieWalker】

借金を抱えて切羽詰っていた主人公のもとに、借金取りから100万円の謝礼と引き換えに、東京散歩に付きあわされていく脱力系ロードムービー。藤田宜永の同名小説を映像化し、三木監督のコミカルな笑いが散りばめられている小ネタ満載の作品。三木監督とオダギリジョーのコンビといったら、テレビドラマ「時効警察」がまず頭に浮んでくる。個人的にはこの時効警察シリーズが大好きなので、だいぶ今回も三木ワールドにハマってしまいました。途中あの彼女も出演していたりと、ファンサービスもちゃんと用意されていたことが嬉しい。主人公のオダギリジョー演じる文哉は、幼い頃に両親に捨てられた孤独な青年。大学は8年生で借金は84万円もあるダメ人間。どんなにダメな人間でも、彼が演じるとどこか格好良い感じがしてしまうのは、やはり彼の魅力なのだろう。本当に幅広い役柄をこなせる、数少ない若手の役者さんだと思う。そんな主人公の借金取りに扮するのが三浦友和。少々ポッチャリしたお腹に、無駄に長い後ろ髪。もうその姿だけで若い女性からは敬遠されがちかもしれないが、物語が進むに連れて、その風貌からのイメージが一変する。一見、個性の強すぎる二人に見えるのだが、不思議なことに終盤は本当の親子のような錯覚になってしまう。演技力は勿論のことながら、強い個性を見事に融合させ、まるでちょっとしたコントを見ている感覚になってしまう。三浦友和の演技に、すっかりハマってしまいました。コントや偽ホームドラマでの笑いだけではなく、ちょっとした心に沁みるサプライズもあり、吉祥寺から霞ヶ関のなんでもない散歩なのだがが、男二人の背中からはいくつもの物語が語られてくる。何気なく散歩がしたくなってしまい、岸部一徳を探したくなってしまう作品。◆映画ランキング◆

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チーム・バチスタの栄光

2008 - 02/12 [Tue] - 02:04

「チーム・バチスタの栄光」★★★
監督:中村義洋
製作:日本、2008年
出演:竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、佐野史郎、玉山鉄二、井川遥、田口浩正、田中直樹、佐野史郎、野際陽子、平泉成、國村隼、他
team b
“チーム・バチスタ”と呼ばれるエリート医師集団。彼らの手術中に3件連続で患者が死亡した。内部調査を任された心療内科の女医・田口は事故と判定するが、報告書を読んだ厚労省の白鳥は、田口と共に再調査に乗り出す。【MovieWalker】

「このミステリーがすごい!」第4回大賞を受賞した、ベストセラー小説を映画化した医療サスペンス。原作はまだ味読であるが、ミステリー特有の緊張感というよりは、どうも変なコメディー要素が強い感じがする…。有能な心臓手術チームに起きた3度の連続術中死をめぐり、内部調査を任された女性医師・田口と、破天荒な切れ者役人・白鳥のコンビが真相を究明していく。この二人、全く噛み合っていないように見えるものの、何処か変に息が合っているようにも感じられるので不思議である。成功率60%の心臓手術でありながら、驚異的な26連勝という手術記録を達成してきたチームが、突如として3度の術中死が発生してしまう。成功率が100%ではない以上、リスクはつきものということは分かる。しかし、その術中死が故意的なものであったならば話は別です。命を助ける医師が故意犯と分かれば、許されることではありません。患者は医師を信頼し、自らの命を委ねるのですから、医師にそんな人間は絶対にいてほしくないものです。物語の中では7人の中に犯人が存在します。その犯人を追及していく過程がどうも薄っぺらく、説得力がないのが残念。田口と白鳥のコミカル色が強く、個性的な医師たちのキャラが薄れてしまっているように感じる。爽快感をだそうとしたソフトボールシーンなどではなく、事件の問題点などをもう少し詳しく描いて欲しかった。中途半端なコメディーよりも、山口良一がギターを弾きながら歌っていた「レモンティ」が一番笑えた。◆映画ランキング◆

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テラビシアにかける橋

2008 - 01/27 [Sun] - 15:16

「テラビシアにかける橋」★★★★
原題:BRIDGE TO TERABITHIA
監督:ガボア・クスポ
製作:アメリカ、2007年
出演:ジョシュ・ハッチャーソン、アナソフィア・ロブ、アナソフィア・ロブ ロバート・パトリック、ズーイー・デシャネル、他
terabithia
小学5年生のジェスは貧しい家庭に育ち、クラスのいじめられっ子だった。彼は隣家に越してきた少女レスリーと仲良くなり、森で架空の王国“テラビシア”を想像して遊ぶようになるが、そんな2人に悲劇が待っていた。【MovieWalker】

児童文学の名作として、数々の賞を受賞してきた「テラビシアにかける橋」の映画化。残念ながら原作は未読ですが、作品を観賞して興味を懐いてしまいました。始めは子供のファンタジーものだろうと、あまり期待をしていませんでした。しかし子役の二人の演技と、かつて自分自身も子供の頃に頭の中で懐いていた空想の世界とがリンクして、次第と作品の持つ世界観にのみ込まれていってしまいました。主人公のジェスは、子沢山であまり裕福ではない家庭に育ち、クラスでもイジメられっ子。そんな彼の隣りに、レスリーという少女が越してきたことによって彼の運命が変わっていく。幼い頃は誰しもが想像力豊かな天才だと思う。それが段々と大人になるにつれ、想像力が乏しくなり凡人となっていく。そんな想像力豊かな二人が意気投合して、架空の世界であるテラビシアを創り、それぞれが王と王女になる。何気ない草木や動物などが、彼らの想像の世界では様々なキャラクターに変身する。そんなファンタジーの世界を見ると、忘れていた空想の世界の記憶を思い出してしまう。そんな空想の世界での出来事を通じて、彼らは少しずつ現実世界での出来事を乗り越えていく術をテラビシアから学んでいく。子供が抱える悩みや苦悩などといった葛藤、友情を通じて彼らは成長していく。人生楽しいこともあれば、とても辛く悲しい出来事もある。ジェスも悲しい出来事に遭遇してしまうが、困難に立ち向っていく勇気を学び、乗り越えていく。妹の手を握りしめて歩んでいく場面があるのだが、そのシーンは彼が少し成長した証なのかもしれない。子供が持つ無限の想像力と命の尊さを学んだ作品。◆映画ランキング◆

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プロフィール

ワールダー

Author:ワールダー
性別:男
年齢:1970年代後半
血液型:B型
好物:ビール、和食、刺身
趣味:映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、ドライブ、ビリヤード、スノーボード

*TBは承認制とさせていただきます。尚、不適切な表現などにつきましては、削除させていただきますのでご了承ください。

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