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スラムドッグ$ミリオネア
「スラムドッグ$ミリオネア」DVD鑑賞★★★★
原題:Slumdog Millionaire
監督:ダニー・ボイル
製作:イギリス、2008年
出演:デブ・パテル、フレイダ・ピント、イルファン・カーン、他
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テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。【シネマトゥデイ】
イギリスが発祥の地であるクイズ$ミリオネアだが、日本ではみのもんた司会でお馴染みだったテレビ番組。第81回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか最多8部門を受賞した本作は、インドのスラム出身の少年の現在と過去を様々な要素を用いて描いていく物語。貧しい生活であっても、元気に兄弟で遊ぶ姿。そこからはじまる主人公の壮絶な生き様と、クイズ$ミリオネアの答えを連動させていき描いていく構成は素晴らしい。しかし一見波乱万丈に溢れる少年の一攫千金のチャンスや人生模様を描いたようにおもわれがちだが、これは純粋に一人の女性を想い続けていくラブストーリーに個人的には感じてしまう。なんの知識もないであろうスラム出身の少年が、予想を裏切りあと一問を残して不正を疑われて警察に連衡される。知識がなくとも勘で何度かは答えを正解したとしても、通常は何度も正解するのは難しい。しかし主人公の自らの過酷な生い立ちによって、答えを人生が自然と導き出してきた。そんな過去には、虐待や格差社会、宗教や子供を使った裏ビジネスなどといったインドの裏側の部分を凝縮して描かれている。そんな底辺の生活を強いられてきたからこそ得られた知識で大金を手にする。困難に立ち向い前向きに生きていき、初恋の女性への強い想いを貫こうとする姿は、観ていて痛々しくもあるが爽快感を不思議と感じてしまう。純愛サクセスストーリーと簡単にまとめようと思ったが、インドという国をデフォルメして描いているのがとても効果的であり刺激的でもあった作品。
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沈まぬ太陽
「沈まぬ太陽」★★★☆
監督:若松節朗
製作:日本、2009年
出演:渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、他
国民航空社員の恩地は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命ぜられる。同期の行天がエリートコースを歩むなか、やっと本社へ復帰するが、飛行機墜落事故という会社の危機に遭遇する。
山崎豊子原作の同名小説映画化。壮大なスケールで映画化した社会派ドラマは、上映時間が3時間以上のために、途中10分間のインターミッションを挟む力の入れよう。観る側にとってはとても鑑賞中に腰が痛くなってきてしまうのだが、なかなか見応えのある内容に仕上がっている。冒頭から航空史上最大のジャンボ機墜落事故の映像で幕を開ける。昭和30年代、日本は高度経済成長を遂げる中、主人公である恩地は巨大組織に翻弄され続け、海外勤務を命じられ僻地で辛い日々を10年も過してきた。労働組合委員長を務めた結果会社から左遷され、家族とも離れ離れの生活になり次第に追い込まれていく。そんな中やっと本社へ復帰できたのだが、また不遇な日々を送ることとなる。普通ならば投げ出したくなるような状態でも、恩地は自らの信念を貫き通す。巨大な組織に翻弄され続け、どんな過酷な運命にも立ち向っていく姿は男らしい。しかしもう少し器用に生きられればきっと彼の人生は180度違っていたかもしれない。強い信念を持ち腐敗した組織に立ち向っていく恩地を渡辺謙が鬼気迫る演技で演じている。一方、エリートコースを走り続けていく行天を演じた三浦友和も好演している。しかしこの二人の人間関係の描き方がやや薄く感じてしまう。物語の中心的な二人の人物だけに、もう少し丁寧に彼らの関係も描いてほしかった。昭和の不器用な人間、巨大組織の内部、政治と金の問題などを浮き彫りにした映像は見応え十分。くれぐれも鑑賞中の水分の取りすぎにはご注意下さい。
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さまよう刃
「さまよう刃」★★★☆
監督:益子昌一
製作:日本、2009年
出演:寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、長谷川初範、木下ほうか、池内万作、岡田亮輔、酒井美紀、佐藤貴広、黒田耕平、山谷初男、他
最愛の娘を、何者かに強姦され殺された長峰。進展しない捜査状況に苛立ち、失意のどん底にいた彼は、ある日、留守電に残っていた謎の密告から、犯人の少年を知ってしまう。彼は、自らの手で犯人を裁こうと行動に出る。【MovieWalker】
遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした内容というなんとも重苦しい空気が漂う作品。原作者である東野圭吾の作品の中でも問題作と位置づけられている作品なだけに、どういった風に映画化されるのか興味があった。原作を読んだときには暫くの間考えさせられた。時間が経った今現在でも、果たして主人公の長峰がとった行動が正しいのか分からない。たった一人の愛娘をクスリを使われ強姦され、挙句の果てには殺害されたら、きっと世の中の父親は長峰と同じことを考えてしまうと思う。こればかりは実際に娘を持つ父親しか分からないかもしれないが、原作同様に今回映画を観た後にもやはり犯人を殺してやりたいと思った。少年達の卑劣な犯罪の数々は減るどころか増える一方。少年法に守られている彼らは、数年すれば檻から放たれ普通の生活に戻っていく。犯罪を犯した少年達もいつか親になり子供を儲けたときに、被害者の親の心の痛みや行き場のない怒りが分かるのだろうか?いつか気付き反省したとしても失った命は二度と戻ってはこない。最近ではある事件の被告である元少年側が地裁に出版差し止めを求める仮処分を申し立てたらしいが、人を殺しておきながら自分の人権を主張することにどうも違和感を覚えてしまう。とても重く深いテーマだが、寺尾聰の演技が秀逸。静かな演技からは決して消えることなく癒されることのない怒りや憎しみが滲み出ていた。テーマが思いのだが少し軽く観えてしまったのが気になる。観る側に問題提議しており重い内容だったが、考えてもなかなか答えが出ない…。
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サブウェイ123 激突
「サブウェイ123 激突」★★★
原題:The Taking of Pelham 123
監督:トニー・スコット
製作:アメリカ、2009年
出演:デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ、ジョン・タトゥーロ、ルイス・ガスマン、他
NYで地下鉄がジャックされた。地下鉄運行指令室に勤めるガーバーは、人質となった19名の乗客のため、ライダーと名乗る犯人と取引することに。だが、彼の要求は、59分以内にNY市長に1000万ドルを持たせろというものだった。【MovieWalker】
1974年に公開された「サブウェイ・パニック」を、デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの二大スター主演でリメイクされた作品。それにしても二人とも老けて太ってしまったなぁ…。過去にも色々な役者たちとバトルしてきた二人が、今回は地下鉄会社の社員と地下鉄ジャック犯として壮絶な頭脳戦を繰り広げていく。いつも安定した演技力を見せてくれるデンゼル・ワシントンだが、今回は平凡な地下鉄社員という意外とも思えるような役柄。しかし彼にはある問題があり、そこから犯人であるジョン・トラボルタ演じるライダーに心の隙をつかれていく。トラさんの悪役もなかなかのハマリ役であり、迫力・貫禄もあり、そこにいい意味でのテンションの高さも加わっている。ガーバーが常に冷静な態度なために、二人のギャップが緊迫した雰囲気を生み出しているように感じられる。二人の会話が物語の中心となってくるだけに、切れ者の犯人と地下鉄を知り尽くした双方の会話劇は次第に観る者をクギ付けにしていくものがある。しかし良くも悪くも雑な部分が目立つのが気になってきてしまう。スピーディーな演出やアクションなどは評価できるのだが、何かが物足りなく感じてしまうのが残念。二人の迫力ある演技対決は見応えがあるが、その他の人物が全く目立たず存在感が残らないのが勿体無い。二人の演技が良かっただけになんだか拍子抜けしてしまった作品。
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ザ・クリーナー 消された殺人
「ザ・クリーナー 消された殺人」DVD鑑賞★★★
原題:Cleaner
監督:レニー・ハーリン
製作:アメリカ、2007年
出演:サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、エバ・メンデス、キキ・パーマー、他
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殺人や事故といった特殊な現場を清掃する男が、ある事件現場を依頼されて清掃したことから事件に巻き込まれていってしまう姿を描くクライム・サスペンス。主演のサミュエル・L・ジャクソンはいい演技をしており、監督のレニー・ハーリンとのコンビも過去にもあるのだが、決定的に何かが足りないのかイマイチ面白さに欠けているように感じられる。アメリカに実在する職業である特殊なクリーナーというのが主人公の職務。いかにもアメリカらしい職業といってしまえばそれまでだが、ボクは絶対になりたくない職業かもしれない。冒頭にある事件現場を清掃していく姿は、これぞプロの業と思わせてくれるようなものばかり。しかし肝心の中身はというと、清掃のプロの業には程遠く及ばないような気がしてならない。殺人の証拠隠滅をさせられ、殺人犯になりかねない状況でしかたなく事件の真相に迫っていくのは理解できるのだが、そこに警察の汚職、美人の未亡人、何か訳ありな相棒と出てきて怪しい雰囲気を演出している。出演者はそれぞれいい演技を見せてはくれているのだが、コピーにあるラスト6分40秒、この罠は見抜けないといったことはないだろう。事件の真相があまりよく出来ていないのがいただけない。
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その土曜日、7時58分
「その土曜日、7時58分」DVD鑑賞★★★☆
原題:Before the Devil Knows You're Dead
製作:アメリカ、イギリス、2007年
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー、マリサ・トメイ、他
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ある兄弟が企てた強盗計画がもたらす悲劇を描いていくサスペンス。なんでもない穏やかな土曜日の7時58分に事件は起きてしまう。冒頭からあまり観たくもない悲惨な惨劇。そしてその嫌なムードのまま一部始終を鑑賞することになり、ある家族の崩壊を見せられていく。誰もがうらやむような優雅な生活をしている兄と、離婚した妻に養育費すらまともに払えないでいるダメな弟。そんな対照的な二人に一見感じてしまうのだが、実は兄は会社の金を横領して麻薬に溺れる日々を送っている。お互い金がどうしても必要であり、兄が弟にある強盗計画を持ちかける。そして計画は失敗し、同時に大切な母親も失ってしまうことになる…。時間軸を何度も過去へと戻していき、それぞれの人物の視点で描いていく。そこから兄弟の確執やその元凶となる父親の存在、そして歪んだ家族の関係があらわにされていく。人生に失敗している兄弟は必死に失敗を成功へと正そうともがいていくのだが、もはや負のスパイラルは落ちるところまでひたすら落ちていくだけ。崩壊していくだけの家庭。救われることなく落ちていく兄弟を演じるフィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークの演技が素晴らしい。しかし彼らの演技がいくら素晴らしくとも、なかなか二人の兄弟に対して共感できるものではない。焦燥感にかられる哀れな男達をただじっと観ることしかできない。ひたすら重苦しい空気だけが残る作品。
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スター・トレック
「スター・トレック」★★★★
原題:Star Trek
監督:J・J・エイブラムス
製作:アメリカ、2009年
出演:]クリス・パイン、ゾーイ・サルダナ、ザッカリー・クイント、サイモン・ペッグ、エリック・バナ、ウィノナ・ライダー、カール・アーバン、レナード・ニモイ、他
惑星連邦軍の士官候補生ジェームズ・T・カークは惑星連邦軍戦艦・USSエンタープライズのクルーとして宇宙へ旅立つ。ところがトラブル続きで、クルー仲間のスポックから反感を買い、船から追い出されてしまう。【MovieWalker】
1966年にテレビ放送されて人気を呼び映画化をされてきた名作SFシリーズであるスター・トレック。まだボクが生まれる前の作品なのであまりよく知らなかったのだが、予備知識なしでまさかこれほどまでに興奮させられ楽しめる作品だったとは思いもしませんでした。今回は若き日のジェームズ・T・カーク船長とMr.スポックを描き、なぜ人類が宇宙へと進出していったのかを壮大なスケールで描いていく。冒頭でも語ったように、ボクは過去のシリーズを全く知りません。なので若き日のカーク船長とMr.スポックがどのような活躍をしてきたのかもわかりません。実際にそれぞれのクルーなどの細かい人間関係は描かれていなく、やや強引な展開でどんどん進んでいくようにも感じられる。それでも最新のVFXを駆使した迫力に次第に興奮させられていってしまう。ある意味、今までのスター・トレックシリーズを知らなかったので、純粋に物語の世界観に飛び込んでいくことができて、自暴自棄でありながら次第と偉大な父の背中に追いついていくカークに共感できたのかもしれない。そんな船長とエリート隊員のスポックがぶつかり合いながら徐々に距離を縮めていく姿に見えない絆のようなものも感じる。特にMr.スポックの内面の変化の様子が他のクルーとは比べ物にならないほどに丁寧に描かれているので以前からのファンにとっては必見。破天荒な青年カークを演じたクリス・パインからは躍動感を感じ、スポックを演じたザッカリー・クイントは同級生に似ているので妙な親近感を持ってしまいました。惑星連邦軍戦艦・USSエンタープライズに次々と迫りくる事件は手に汗を握ることでしょう。1stシリーズのエピソード0ともいえる今作は、是非劇場の大画面で鑑賞してスリルと臨場感を体験してもらいたい。今までのファンも初めてスター・トレックを知った方も両方楽しめる作品だと思います。観終わった後、満足感のあるSF大作だと感じた。
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重力ピエロ
「重力ピエロ」★★★☆
監督:森淳一
製作:日本、2009年
出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、鈴木京香、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、他
母親の命日に仙台の実家に戻ってきた泉水と春。不審な連続放火事件の現場に残された落書きに放火犯からのメッセージが込められていることに気づいた2人は、放火犯と亡くなった母親、そして家族との間に横たわる問題を知る。【MovieWalker】
伊坂幸太郎原作のミステリアスな内容を映画化した作品。個人的には伊坂作品はあまり映像化には不向きなモノが多いように感じていたのだが、今回はキャストの選択が良く、今までのイメージを払拭してくれたような気がする。原作通りの出だしで物語は進んでいく。特にこの重力ピエロという作品は彼の作品の中でも好きなのだが、その反面物語り自体が良くも悪くも普通であり、映画としてはどうなのかと?一抹の不安は残っていた。遺伝子を研究している兄の泉水と芸術の才能がある弟の春。そんな兄弟が父親と仲良く暮らしている背景には、暗い過去が存在する。弟はある事件で出生した秘密があり、その事件に纏わる男が街に戻ってきたことによって、各地で放火事件が発生しそこから暗号めいたグラフィックアートが見つかる。遺伝子配列に纏わる数々の伏線を張りながらある謎を解き明かしていくのだが、ある程度結末などは安易に想像がつく。そこから家族の過去と現在がリンクしたときに、物語は深い家族や兄弟の絆の物語へと繋がっていく。ミステリー要素は薄いのだが、最終的に家族の有り難みを深く感じられる。例えどんな出生秘話があろうとも、こんな温かな両親に育てられれば幸せになれるだろうと、ほんわかとしたムードに包まれてしまう。加瀬亮という役者は、いつも印象がやや薄すぎるような気がするのだが、なぜか役柄としての印象は抜群に残ってしまう不思議な役者だと感じる。最強の家族の絆を知り、重力を無視した小さな幸せを感じられた作品。
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接吻
「接吻」DVD鑑賞★★★☆
監督:万田邦敏
製作:日本、2008年
出演:小池栄子、豊川悦司、仲村トオル、篠田三郎、大西武志、青山恵子、他
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一家惨殺事件の犯人に恋愛感情を抱いたOLの運命を描く、ある意味究極の愛の物語とも受け止めることができるであろう作品。ヒロインの小池栄子の鬼気迫る演技があまりにもずば抜けており終始圧倒されてしまう。彼女の演技は、バラエティー番組のコントなどでは見たことがあったが、今回は今までのグラビアアイドルやバラエティタレントという一面を脱ぎ破り、一人の演技派女優という印象を強く与えてくれた。ヒロインである京子は、言葉には出さないが胸に秘めている孤独や怒りがある。そんな誰にも分からないような深い悲しみを、テレビの画面に映し出されたある一人の男に共鳴してしまう。似たもの同士が自然と惹かれあうということはよく聞く話だが、一度も会ったことがなく、ましてやその相手が殺人犯となるとまるで理解できなくなってしまう。通常であれば身の周りからそういった殺人犯などは遠ざけたいと思うのが一般的な考えだとは思うのだが、京子は違う。自らスクラップを作り、殺人犯である坂口の情報を集め、どんどん彼に惹かれていき、仕事も辞めて裁判に毎回傍聴しにくるという行動をする。なぜそのようなことをしてしまうのか?今のボクの考えでは一生理解できないことだろうと断言できるだろう。しかも獄中結婚までしてしまうのだから、益々京子の考えというものが分からなくなってしまう。現実にも獄中結婚した例もいくつかあるが、そんな事実を知れば知るほど、凡人のボクには理解し難いことが世の中にはたくさんあるのだと痛感する。無我夢中で一生に一度の愛を貫き通し、最後に京子が導き出した答えには驚嘆するばかりです…。小池栄子の新境地を堪能できた作品。
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ザ・バンク 堕ちた巨像
「ザ・バンク 堕ちた巨像」★★★☆
原題:The International
監督:トム・ティクバ
製作:アメリカ、2009年
出演:クライブ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ウルリッヒ・トムセン、ブライアン・F・オバーン、他
インターポールの捜査官サリンジャーは、NY検事局のエラとともに巨大銀行IBBCの違法行為を探っていた。しかし何者かによって仲間や証人を次々と殺害された彼は、自らの命までも脅かされていく。【MovieWalker】
世界同時不況の昨今を象徴するような作品である「ザ・バンク 堕ちた巨像」は、国際的なメガバンクであるIBBCの裏の顔を浮き彫りにしていく。金融という言葉が頻繁にニュースなどでは飛び交い敏感に反応してしまいますが、観賞後には金融不安をより一層強められたような気がしてならない。しかもこの作品に登場してくる架空の銀行であるIBBCは、実際に犯罪スキャンダルで破綻した銀行BCCIをモデルに脚本が描かれているので興味深い。テロや紛争といった悪行にまで手を染め、そういった悪行の数々で利益ばかりを追求している姿はなんともおぞましい。そうした光景を目の当たりにしてしまうと、世界金融危機というものが重く圧し掛かってくる感じがしてならない。主人公であるインターポール捜査官のサリンジャーは、闇に潜む陰謀を暴こうと奮闘していくのだが、どうもクライブ・オーウェンの濃過ぎる顔立ちが目に付いてしまい邪魔になってしまう。インターポールといえば、ルパン三世の銭形警部を思い出してしまう。彼はルパン逮捕に命をかけてはいるが、インターポールには逮捕権がないということに驚いてしまう。捜査はドイツ、イタリア、ニューヨーク、トルコと世界中で行われていくのだが、その広さが逆に闇の取引の莫大さを物語っているように感じられる。随所で繰り広げられるアクションが緊張感を高めていくのだが、中でも美術館での銃撃戦は一番の見所。富に執着し欲望が渦巻く光景は、現代を映し出しているようで不安ををかき立てられる…。
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