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カイジ 人生逆転ゲーム
「カイジ 人生逆転ゲーム」★★☆
監督:佐藤東弥
製作:日本、2009年
出演:藤原竜也、天海祐希、香川照之、山本太郎、光石研、松山ケンイチ、松尾スズキ、佐藤慶、他
保証人になった男が夜逃げし、莫大な借金を背負ってしまったカイジ。だが、彼に返済能力はなく、金融会社の女社長は借金の返済どころか、大金を手に入れる可能性を秘めたゲームが行なわれるという船への乗船を勧める。【MovieWalker】
福本伸行原作の人気コミックを実写映画化した作品。毎週ヤンマガで原作を読んでいるのだが、どうもイメージとだいぶかけ離れすぎているのでギャップに戸惑ってしまう。競馬やパチンコなどギャンブルを楽しんでいる人は大勢居るだろう。勝った負けたなどの勝敗はギャンブルをした本人の責任だし、負けたからといって不機嫌になり八つ当たりされるのだけは困ってしまう。しかもギャンブルで負けが続き、借金までしてもやり続けるやからを見ると、つくづくバカとしか思えなく呆れてしまう。身を滅ぼしてまでやり続けてしまうギャンブルというものは、本当に恐ろしいモノだと感じてしまう。物語は友人の借金の肩代わりをさせられた主人公のカイジが、一発逆転のゲームに挑んでいくお話し。毎日をダラダラ過すフリーターが、一夜で借金を帳消しにして大金を儲けようと考えるあたりが甘すぎる。しかもそんな借金で首が回らなくなったやからが大勢いる始末…。財力が有るか無いかで「勝ち組」と「負け組み」を判別するのは問題があるが、こういった格差社会といわれる世の中では最も分かりやすい例えなのかもしれないが共感はできない。勝ち組エリート集団が様々なゲームを仕掛け、負け組みが生き残りをかける姿は痛々しくもあり、中には悪趣味なゲームもあり腹立たしくもある。主人公であるカイジを藤原竜也が演じているのだが、彼のオーバーな演技がこういった作風だと普通に感じられる。とにかく終始カイジが騒ぎ立てハイテンションなために観ていてとても疲れる。しかも香川照之との一騎打ちは、いちいちタメを作りすぎて丁寧に描こうとしているためかイライラしてしまう。結局ギャンブルをしないボクのような人間からしてみると、あまりにも馬鹿げているために白けてしまうかもしれない。人生逆転ゲームなどをしないで、毎日地道に働くことが大切だと思います。原作にあるような心理描写や勝負のキーとなる部分が大幅に端折られているので緊張感に欠けてしまう。オーバーな演技や騒ぎ喚くカイジに鑑賞後どっと疲れてしまう。
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コレラの時代の愛
「コレラの時代の愛」DVD鑑賞★★★
原題:Love in the Time of Cholera
監督:マイク・ニューウェル
製作:アメリカ、2007年
主演:ハビエル・バルデム、ジョバンナ・メッツォジョルノ、ベンジャミン・ブラット、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ローラ・ハリング、リーブ・シュライバー、ジョン・レグイザモ、他
貧しい電報配達員のフロレンティーノは、裕福な商人の娘フェルミーナに一目ぼれ。一度はプロポーズに成功するが、彼女の父親によって2人は離ればなれに。遠く離れても恋の電報を送り続けるが、彼女に結婚話がもちかかる。【MovieWalker】
ノーベル文学賞作家であるガルシア=マルケスの同名の原作を映画化した作品。たった一人の女性に愛を永遠に誓った男を、主演のハビエル・バルデムがとてもキモいのだが、なぜかとても少年のようなピュアな瞳で熱演している。一目惚れした美しい女性を半世紀以上も愛し続ける男。半世紀もまだ生きていないので、どれ程長く辛い日々かは全く想像できない。しかしこの男は心は純潔を貫き通すと誓いながら、肉体関係を持った女性の数は622人。コレラの前に、よく性病に感染しなかったのかと不思議に思うほどの莫大な経験人数。昔コレラは不治の病と恐れられていた病気だが、恋の病は未だに特効薬すらみつからぬ不治の病であろう。手紙だけで情熱的な若い恋を育んだ二人だが、あっさりと娘の父親に関係を引き裂かれてしまい、娘は他の男と結婚してしまう。そしてその愛する女性が夫を亡くすまでの51年9か月と4日をひたすら待ち続け、夫が亡くなった日にプロポーズするという無神経ぶり。正直ここまでの内容からして、一体何処が純愛なのかと疑問に感じてしまうのだが、そこはややロマコメ要素を取り入れたからだろうと無理矢理納得させてしまう自分がいる。恋文で幻想を抱き、一生その女性に対する幻想を抱き続ける姿勢は、大人になるにつれて失われていくモノ。いつまでも初恋を忘れずに一途さを表現したハビエル・バルデムの演技は、次第に純愛物語なのだと感じさせてくれるものがある。しかし70代同士のベットシーンはちょっと抵抗がありすぎました…。生涯愛し続けられる女性はなかなか現れるわけではないが、なるべくならば半世紀以上も待つのは避けたいものです。
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消されたヘッドライン
「消されたヘッドライン」★★★☆
原題:State of Play
監督:ケビン・マクドナルド
製作:アメリカ、2009年
出演:ラッセル・クロウ、ベン・アフレック、レイチェル・マクアダムス、ヘレン・ミレン、ロビン・ライト・ペン、ジェイソン・ベイトマン、他
ワシントン・グローブ紙の敏腕記者キャルの友人である国会議員コリンズの不倫スキャンダルが発覚。この問題と別の殺人事件との奇妙なつながりを発見したキャルは、背後に潜む巨大な陰謀を突き止めていく。【MovieWalker】
イギリスのBBCテレビで放送された人気サスペンスドラマ「ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜」を、舞台をアメリカに置き換えて製作されたポリティカル・サスペンス。主演であるラッセル・クロウは相変わらず太りすぎてロン毛が似合っていないし、もう一方のベン・アフレックは相変わらずヒット作に恵まれていないのが気になる。物語はある二つの事件を追っていた新聞記者カルが、何の共通点もないはずの二つの事件が裏で密かに繋がっている事実を突き止めたことから、巨大なアメリカの闇深くへと迷い込んでいくこととなる。主人公カルを演じたラッセル・クロウは見た目は肥満男なのだが、ここ最近骨太な作品に出演が続いており、今回も当たり役といった印象がとても強い。ややごり押しのような演技でグイグイと事件の謎に迫っていき、いつの間にか映画の世界に引き込まれていく。政界と軍事企業が裏で絡み合った巨悪に対して取材活動をしていく新聞記者の姿がスリリングで見応えがある。ネットやライバル会社の熾烈なスクープ合戦など、現代における新聞社の問題なども描かれており、そんな時代に逆行するかのように命懸けで取材していくカルの姿に、本物のブンヤ魂というものを感じる。事件も二転三転していき終始緊張感が漂っていくのだが、ラストでのあの展開は今までの緊張感を台無しにされ、せっかく築き上てきたテーマを崩してしまったような気がする。ラストが違っていればもっと楽しめただろうし、あまり余計な脚色は必要ないと感じさせられた。
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宮廷画家ゴヤは見た
「宮廷画家ゴヤは見た」DVD鑑賞★★★☆
原題:Goya's Ghosts
監督:ミロス・フォアマン
製作:アメリカ、2006年
出演:ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド、ランディ・クエイド、ホセ・ルイス・ゴメス、ミシェル・ロンズデール、マベル・リベラ、他
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スペインが誇る画家であるフランシスコ・デ・ゴヤの目を通して、彼が描いた二枚の肖像画のモデルたちが辿っていく運命を激動の18世紀末のスペインを背景に描いていく。ゴヤに対しての知識はあまりないが、彼の作品などはいくつか知っている。宮廷画家に任命されながらも、数々の社会風刺や権力に対する批判の作品などに精力的に取り組んでいく姿勢が窺われる。そんな彼が描いた二枚の肖像画のモデルである、裕福な商人の娘イネスと、カトリック教会の神父ロレンソの二人の数奇な運命をゴヤの目を通して物語は進んでいく。居酒屋で豚肉を食べなかっただけでユダヤ教徒と疑いをかけられ、異端審問にかけられ拷問を受けて牢に繋がれるイネス。そんな彼女を助けて欲しいと頼まれた神父ロレンソが牢獄で彼女と運命的な出会いをする。接点のない二人の出会いがやがて不幸な時代とともに大きく変わっていく様子は、なんとも物悲しく思えてくる。異端審問からもわかるように、当時のカトリック教会の権力を武器にした横暴は馬鹿げているとしか思えない。他にもフランス革命などによって翻弄されていく時代の背景なども描かれてはいるのだが、どれもゴヤの目を通して歴史の理不尽さを改めて見つめ返し痛感させられる。ある意味先の見えない現代を彷彿される部分もあるが、あの時代に生まれていたらと考えるとゾッとしてしまう。ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマンの演技は見事であり、二人の演技から対極の時代背景を見られたような気がする。
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彼が二度愛したS
「彼が二度愛したS」DVD鑑賞★★★
原題:Deception
監督:マーセル・ランゲネッガー
製作:アメリカ、2007年
出演:ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズ、シャーロット・ランプリング、マギーQ、ヒュー・ジャックマン、他
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ハリウッドきってのいいやつこと、ヒュー・ジャックマンが立ち上げたシード・プロダクションズの第1回作品。ニューヨークのオフィスで仕事を淡々としていく孤独な会計士ジョナサン。遊ぶことを知らずに、与えられた仕事だけをこなしていく毎日。平凡であり孤独な仕事人間にとっては、誘惑は甘い罠でしかない。そんな真面目なジョナサンが、弁護士ワイアットとの出会いによって人生が急に変わっていく。仕事が忙しければ恋愛などをしている時間もなくなる。ましてや女性経験があまりない人間にとって、今夜ひま?という女性からのお誘いの電話などを受けたらワナだと思えてもそのエサに食い付いてしまうもの。会員制の秘密クラブの存在を知り経験したことによって、セレブとの一夜だけの関係にのめりこんでいくジョナサン。しかし一夜だけの関係で名前すら知らないSという女性に恋してしまうのは男の性なのかとも感じる。そこからジョナサンはワイアットが仕掛けた罠にハマっていくのだが、勘のいい人ならば先の展開は分かってしまう。原題であるDeceptionが示すように、この作品のメインは騙すこと。しかしこの騙しかたがやや中途半端であるために、展開が安易に想像できてしまい少々物足りなさが残ってしまう。終盤はややラブサスペンスのような感じになっていくのだが、もうちょっと一捻りある何かがあってもよかったのではないかと感じられる。官能的なシーンは満載だったが、騙す行為が甘すぎた作品。
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グラン・トリノ
「グラン・トリノ」★★★★★
原題:Gran Torino
監督:クリント・イーストウッド
製作:アメリカ、2008年
出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハー、クリストファー・カーレイ、ジョン・キャロル・リンチ、他
元軍人のウォルトは近所に住むアジア系やラテン系の移民との交流を拒んでいた。だがある晩、愛車が盗まれそうになる事件が起き、実行犯の少年タオを諭すことに。その一件以来、彼はタオの家族と心を通わすようになる。【MovieWalker】
クリント・イーストウッドの4年ぶりとなる監督&主演作。「チェンジリング」に引き続き、今回も観賞後に心にじわじわと染み渡っていく余韻を残す作品となっている。年齢を重ねていくと共に、彼の作品にも深みが増してきているように感じられる。今回彼の役所は、妻に先立たれ息子たちとも疎遠な元軍人の気難しい主人公ウォルト。人に忌み嫌われるような性格の彼が、隣りに越してきたモン族の少年タオとの出会いによって一風変わった友情を深めていく。ウォルトを見ていると、何処にでも居そうな頑固なおじいさんを思い出してしまう。戦争を体験し、妻に先立たれ、年金暮らしの老人は近所にもたくさんいる。しかしここまで捻くれ、シロ・クロ・イエローなどと色で人種差別を平気でしてしまうような口の悪さも持ち合わせている。庭に入っただけでライフルを構えられてしまう始末ですし、こんな老人とは係わらない方が身の為だと感じる。しかしそんなウォルトにも心の葛藤もあり、愛するモノもある。その一つがタイトルにもなっている72年製フォード車「グラン・トリノ」。この最も愛するグラン・トリノを盗もうとしたしたのがタオなのだが、失敗したのがキッカケでウォルトとの交流も深まるのだが、逆にある事件にも大きく係わっていくこととなってしまう…。人生において人との出会いは非常に重要なことだと思う。ウォルトにしてみれば、いかに人生を終わらせようかという考えを持ちながら、毎日単調な生活をしているだけ。タオは人生のスタート位置にすら立てない有り様。そんな迷いをお互い抱きながら出会い、不思議と交流していく中で生きる意味を教えていく。年はとても離れてはいるが、親子の関係にも見えてきてしまう。そんな中にきちんと笑いも取り入れているところが、さすがはクリント・イーストウッドと思わせてくれる。年の離れた友人であるタオを助けたいという正義感が招いた報復の連鎖。朝鮮戦争で犯してしまった行為を後悔し続けて生きてきたウォルトが選択したラストに驚愕し、深く考えさせられ、作品の余韻にどっぷりと浸ってしまい、じわじわと涙が溢れ出してきてしまいました。クリント・イーストウッドという男の器量を存分に堪能できる作品。オススメです。
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コッポラの胡蝶の夢
「コッポラの胡蝶の夢」DVD鑑賞★★★☆
原題:Youth Without Youth
監督:フランシス・フォード・コッポラ
製作:アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、ルーマニア、2007年
出演:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ララ、ブルーノ・ガンツ、マーセル・ユーレス、マット・デイモン、アレクサンドラ・ピリチ、エイドリアン・ピンティー、アナマリア・マリンカ、他
![]() | コッポラの胡蝶の夢 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD] (2009/03/27) ティム・ロスアレクサンドラ・マリア・ララ 商品詳細を見る |
ミルチャ・エリアーデの原作を映画化したフランシス・フォード・コッポラ監督の久々の作品。彼の代表作である「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」などといいた重厚な内容のものとはまた一味違った作風のように感じられる。原作者であるミルチャ・エリアーデは、ルーマニアの宗教学者であり東洋哲学を学んだだけあり、独特な幻想観漂う小説の世界にコッポラ監督の成熟された美学が注ぎ込まれたような感覚を味わえる。ただ非常に難関なために、途中何度も思考回路がゴチャゴチャしてきてしまうのだが、この不思議な時空の旅のような空間に引き込まれていってしまう。物語はある老教授が落雷にあい奇跡的に回復し、40代の肉体に若返ることから始まる。言語の起源の研究も未完のまま、考えることはいつも愛した女性のことばかり。そんな中彼の知能は飛躍的に向上し、過去と現在が様々に交差していき自分の分身まで登場してくる。そして愛していた女性にそっくりな人物に遭遇し、彼女は輪廻転生していき、彼の研究は完成寸前まで進んでいく。正直ボクには理解するのが困難でしたが、独特の雰囲気だけは楽しめた。哲学や歴史や愛といった要素が焦点定まらず繰り広げられていく中で、主人公の心の中にはいつも愛する女性に対する想いがある。しかしいくら不死のような肉体や時空を越えて存在し続けても、その愛は儚く過ぎていってしまう。幻想的な世界にこの切なさが重なり、妖艶な笑みに包み込まれていくような不思議な映像美に魅了されていく。主人公の研究に対する飽くなき探究は、監督の映画に対する気持ちのようにも感じられた。
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この自由な世界で
「この自由な世界で」DVD鑑賞★★★☆
原題:It's a Free World...
監督:ケン・ローチ
製作:イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン、2007年
出演:キルストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、レズワフ・ジュリック、ジョー・シフリート、コリン・コフリン、マギー・ハッセー、他
![]() | この自由な世界で [DVD] (2009/04/03) キルストン・ウェアリングジュリエット・エリス 商品詳細を見る |
ロンドンの移民労働者の問題を描いたケン・ローチ監督の今回の作品は、現代の経済システムを生き抜くにはどうしたらいいのかという疑問を投げかけられたような内容になっている。ヒロインのアンジーはシングルマザー。息子を養うために必死に仕事をするがどれも長続きはしない。そんな中上司のセクハラに激怒したことによって会社をクビになり、ルームメイトと共に外国人労働者を対象とした職業紹介所の会社を立ち上げる。彼女は効率よくお金を稼ぐことを大前提として、新たなビジネスを必死になって軌道にのせようと奮闘していく。日本でも失業率が増え、派遣切りで職を失い路頭に迷う人々が増えてきている。そんなニュースが頻繁に流れてはいるが、そういった現象は現代の激しい競争社会が生み出した大きな障害なのかもしれない。勝ち組、負け組みなど格差社会が広がっていく一方で、弱者を平気で踏み台にしていき成功していく者もいる。誰しも今の境遇よりも高いレベルを目指すものだろうが、弱者を切り捨てて自分だけが幸福を手に入れることが本当の幸せなのかと疑問に思う。こんな甘い考えでは生き抜くことも困難だろうが、損得勘定ばかりに捕らわれてばかりの生き方だけはしたくはないと思う。悪行に簡単に手を染めて効率よく金だけを求めるのは簡単だが、その代償は知らぬうちに少しずつ膨らんでいき取り返しのつかない状態に陥ってしまうもの。しかしこういった根源が少なくとも存在することは把握しておく必要があるようにも感じる。ヒロインの姿を見ていると、本当の自由というのは何なのかという疑問に直面してしまう。自由という意味を深く考えさせられた作品。
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クローズZERO II
「クローズZERO II 」★★★☆
監督:三池崇史
製作:日本、2009年
出演:小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ、三浦春馬、高岡蒼甫、金子ノブアキ、桐谷健太、岸谷五朗、山田孝之、他」
卒業生である片桐らの尽力を得て新勢力“G・P・S”を旗揚げし、ライバルの芹沢が率いる“芹沢軍団”を打ち負かした滝谷。いよいよ鈴蘭高校制圧へと近づいたものの、リンダマンこと林田に敗北を喫してしまう。【MovieWalker】
高橋ヒロシのコミックを映画化した前作「クローズZERO」の続編。前作ではコミックをベースとしたオリジナルの脚本で、不可能と言われている鈴蘭制覇を目指す転入生の滝谷源治と百獣の王である芹沢多摩雄との壮絶な戦いの中で、G.P.Sが芹沢軍団に勝利するところまでが描かれている。予想以上に興奮させられ、忘れかけていた昔を思い出させてくれた作品の続編なので、期待を胸に抱きながら観賞しました。今回は因縁のライバル校である鳳仙学園との抗争が激しく展開されていく。校内での対立からライバル校同士の対立へとスケールアップされていくのだが、ややそこに至るまでの経緯や細かいドラマ性などには欠けているようにも感じられる。カラス達には細かな説明などは不要なのかもしれないが、そうした細かい配慮があれば尚更世界観に引き込まれた気がしてならない。前作同様に大人の事情なのか黒木メイサの歌のシーンがあるのだが、あまりにも作品のイメージとかけ離れすぎている為に、又しても白けさせる。芹沢多摩雄演じる山田孝之、鳴海大我演じるRIZEの金子ノブアキのカリスマ性や強烈なインパクトに惹かれてしまうのだが、肝心の主人公である滝谷源治の存在感がやや薄いのが気になってしまう。しかも原作で人気のある三浦春馬演じる美藤竜也の見せ方も上手いので、主人公なのにサブキャラ程度の存在感しか感じられない。鳳仙高校を舞台としたラストでの両校入り乱れた数百人のバトルは必見。しかも個々のキャラを出した戦い方が観れるのが嬉しい。前作とはちょっと違った視点からの物語に感じられる部分もあるが、草食系の男子ばかりが溢れる現代とは逆の、男気溢れ泥臭い肉食系のオスたちの戦いに酔いしれてしまう。たまには不良映画もいいものです。
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ぐるりのこと。
「ぐるりのこと。」DVD鑑賞★★★★
監督:橋口亮輔
製作:日本、2008年
出演:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、安藤玉恵、八嶋智人、柄本明、寺田農、木村祐一、斎藤洋介、温水洋一、加瀬亮、光石研、田辺誠一、横山めぐみ、片岡礼子、新井浩文、他
![]() | ぐるりのこと。 [DVD] (2009/02/25) 木村多江リリー・フランキー 商品詳細を見る |
橋口亮輔監督の久々の作品となる「ぐるりのこと。」は、オリジナル脚本によるある一組の夫婦の10年間の日々を映し出した希望と再生の人間ドラマ。木村多江とリリー・フランキーの夫婦役がなんとも絵になって微笑ましくもあり、時として苛立ってしまう。バブル崩壊の90年代から今世紀初頭までは、時代が大きく変化し、その変化と共に様々な事件も起こってきた。そんな時代の中、翔子とカナオは子供を授かり結婚する。何事にも几帳面な妻である翔子は、カレンダーに×印をつけて夫婦の営みを週3回と決めている。あるシーンでバナナを食べながら今からするよと妻から言われ、それに対してこれでは勃たたないとブツブツと反論する姿が面白い。そんな馬鹿げたシーンを織り交ぜながら、何処にでもいるような夫婦の日常を描いていくのだが、死産をキッカケにして妻が心を病んでしまう。激しい感情と共に崩壊していく心を演じる木村多江の演技は圧巻。そんな心を失いかけていく妻を、そっと寄りそい続け包み込むような優しさを見せる夫との距離感が痛々しい。長いこと一緒に生活していけば、幸せなときもあり危機的な困難の場合もあることだろう。そんな困難な道を乗り越えていく夫婦の姿を、二人の自然体な演技から感じられる。また法廷画家として働く夫のカナオのスケッチからは、忘れかけていた数々の残虐な事件を思い出してしまう。時代が病んでいるようにも感じられるが、人間も時代と共に心を蝕まれていく。しかしそんな世知辛いその中であっても、たった一人の理解者がいるというだけで幸せなんだと、一筋の希望の光を感じさせられる作品だったと思う。
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