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2008.07.04 (Fri)

潜水服は蝶の夢を見る

「潜水服は蝶の夢を見る」DVD鑑賞★★★★
原題;LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
監督:ジュリアン・シュナーベル
製作:フランス、アメリカ、2007年
出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、他
LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
雑誌編集者のジャン=ドーは、脳梗塞に倒れ、全身が麻痺して動かなくなる、閉じ込め症候群に陥ってしまう。絶望状態の中でも、周りの人々に支えられた彼は、唯一動く左目を使って、自分の半生をつづり始めていく。【MovieWalker】

順風満帆な人生から一転し、突如の脳梗塞によって全身が麻痺して自由を奪われた男が、唯一自分の意思表示が出来る左目の瞬きだけで書き上げた自伝を映画化した作品。感情移入できるかできないかで、ハッキリと評価が分かれてしまいそうですが、個人的にはこういった作品は好きです。パリのファッション誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドミニク・ボビーは、少し前の言葉でいうちょいワルオヤジ。一流の服を着て、豪華な食事に酒、美人の女性と旅などをしながら、誰もが羨むような人生を満喫していた。そんな彼に突如として脳梗塞が襲い掛かり、人生に劇的な変化をもたらしてしまう。左目の瞼以外が麻痺してしまい、植物状態とは違い意識はあるのに何も出来ない状態。これは想像しただけでも、身の毛もよだつような話です。全身が麻痺し、動かない身体という檻の中に閉じこめられている状態のことを、ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)と呼ばれているらしい。そんな自分の状態をジャン=ドーは、潜水服を身に纏っている状態に例えている。こういったセンスは、なかなか日本人には真似できない部分だと思う。そんな絶望といっても過言ではない状況下で、自分自身と向き合うことによってイマジネーションを膨らませ、蝶のように空高く羽ばたき自伝を完成させた彼の強い意志は尊敬に値する。左目だけの視界を表現したカメラワークは、突然フレームアウトしたりし、不自由さや彼の苛立ちなどをうまく表現している。彼の世界観というものが作品全体から感じ取られ、蝶のように自由に羽ばたきだした瞬間は、なんだか自分の重苦しい空気まで吹き飛んでいってしまうような気がしてしまった。死に直面し、改めて生について考えさせられる部分も多いが、いかに健康でいることが幸せであるかということが分かったような気がする。人間臭さが残りつつも、20万回の瞬きだけで自伝を完成させた奇跡に酔いしれた作品。◆映画ランキング◆

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2008.07.01 (Tue)

西の魔女が死んだ

「西の魔女が死んだ」★★★
監督:長崎俊一
製作:日本、2007年
出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一、他
the witch of the west is dead
同名の名作児童文学を映画化したハートウォーミングな感動ドラマ。“西の魔女”と呼ばれる不思議なおばあちゃんと孫の少女が過ごす夏の日々を、美しい自然をバックに映し出す。【MovieWalker】

出演者の中で、りょうが一番魔女のように見えてしまったのはボクだけだろうか…?以前、仲良くしてもらっているブログ友達から紹介され、この作品にはとても思い入れがある。その梨木香歩原作の「西の魔女が死んだ」を映画化した作品。魔女である祖母と、孫とのひと夏の心温まるファンタジー。魔女であるおばあちゃん役は、あの大女優シャーリー・マクレーンの娘のサチ・パーカーが演じ、孫のマイ役は新人の高橋真悠が演じている。この子どこかで見た気がすると思っていたら、少し前に地元のテレビ番組に出演していた子でした。それが今ではスクリーンデビューですから凄いことです。物語は、登校拒否になった少女が、西の魔女の家で魔女修行することによって、傷ついた心を癒し少しずつ大人へと成長していく姿を描いている。祖母と触れ合うことによって、徐々に傷ついた幼い心をそっと包み込んでいくかのような、おばあちゃんの優しさがスクリーンから随所に伝わってくる。そんなおばあちゃんの優しさに包まれ心が変貌していく姿は、見ていてなんとも微笑ましい限りです。しかし前半のそんな大切な場面を、どうも雑に描写されているようにしか感じ取れない。悪く言ってしまえば、手抜きというか適当に撮ったとしか思えないような感覚に陥ってしまう。後半部分が特に良かっただけに、この前半部分がとても悔やまれる。出演者の中にも、これはちょっとミスキャストというか、必要性を感じられない人物も見受けられたのが残念でした。魔女修行とは、昔の人ならば誰でも当たり前のようにしていたことだと思う。現代は、様々な物が溢れかえり、時間に追われて過す日々。大自然の中でスローライフを楽しみ、何気ない日々の変化を見つけ穏やかに過し、何事も自分自身で決断する。出来そうだがなかなか出来ない当たり前の事を、おばあちゃんは優しく言葉で教えてくれる。おばあちゃんの言葉一つ一つが、本当は魔法だったのかもしれない。美しい風景が、おばあちゃんの言葉を更に後押して、心に自然と溶け込んでいく。ラストのおばあちゃんから孫へのメッセージは、分かってはいるが涙が止まらなくなってしまう。疲れた心と身体が癒される作品。原作に思い入れが強かっただけに、どうしても腑に落ちないものが残ってしまう…。◆映画ランキング◆

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2008.06.29 (Sun)

onceダブリンの街角で

「onceダブリンの街角で」DVD鑑賞★★★☆
原題:ONCE
監督:ジョン・カーニー
製作:アイルランド、2006年
出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロバ、ヒュー・ウォルシュ、ゲリー・ヘンドリック、アラスター・フォーリー、ゲオフ・ミノゲ、他
once
ダブリンのストリート・ミュージシャンの男が、外国人移民の若い女と出会う。2人は音楽のセッションを通して親しくなっていくが、男は別れた恋人のことを忘れられず、女も複雑な事情を抱えていた。【MovieWalker】

この世に音楽がなければ、きっと運命的な出会いをしても盛り上がりにかけてしまうことだろう…。わずか数館の公開から、あっという間に口コミで広まっていった「onceダブリンの街角で」は、今までのとっつきにく音楽映画とは一味違ったものがある。一言でこの映画を説明すれば、ただ黙って鑑賞してみれば分かるで済む話なのだが、それでは面白みにかけてしまう。従来の音楽的作品には、どうしても踏み込み難い高い壁が個人的には存在していた。例えば、ミュージシャンの自伝的な作品やミュージカル作品などでは、ある程度の知識がなければ全く理解できずに終わってしまうことが多く、コアなファン以外でも単純に音楽を楽しみながら鑑賞できるこの作品のような展開は、非常に分かり易くて楽しめる。ダブリンの街角で偶然に出会ったストリート・ミュージシャンと、音楽の才能を持つ移民女性が、音楽を通じて心が次第と惹かれあっていく。主演の二人はどちらもプロのミュージシャン。アイルランドのバンド、ザ・フレイムスのグレン・ハンサードが主人公の男を演じ、移民女性をマルケタ・イルグロヴァが演じている。グレン・ハンサードの歌声はとても艶があり声量も抜群。そこに美しいメロディーにマルケタ・イルグロヴァの美しい声が加わり、切ない歌詞の世界観を増幅させ心に染み渡ってくる。音楽が要所要所で絶妙のタイミングで流れてくるので、とても気持ちよく鑑賞できた。内容は単純で味気ないものがあったが、音楽によって作品自体のスケールを拡大させていったように感じられる。この作品を観賞後ボクの生活の一部には、つくづく音楽がなければダメだと痛感させられました。万人向きではないが、音楽映画としてはとても鑑賞しやすい作品です。◆映画ランキング◆

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「Falling Slowly」

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2008.06.26 (Thu)

奇跡のシンフォニー

「奇跡のシンフォニー」★★★☆
原題:August Rush
監督:カーステン・シェリダン
製作:アメリカ、2007年
出演:フレディ・ハイモア、ジョナサン・リース・マイヤーズ、ケリー・ラッセル、テレンス・ハワード、ロビン・ウィリアムス、他
August Rush
生まれた時から両親と離れ離れで、施設で孤独に生きてきた11歳のエヴァン。ある日、施設を抜け出し、マンハッタンへやって来た彼は、ストリート・ミュージシャンたちと出会い、自身も楽器を演奏していくようになる。【MovieWalker】

予告を観るたびに泣いてしまっていたが、本編では不覚にも号泣してしまいました。ピュアな少年役をフレディ・ハイモア君に演じさせる時点で、もうこの作品は反則です。孤児の少年が、音楽に出会い、音楽を通じてまだ見ぬ両親を探すという、ファンタジー要素満載の作品。邦題に奇跡という言葉が使われているが、正しく奇跡以外の何物でもない内容ばかりが散りばめられている。孤児院で育った11歳のエヴァンは、不思議な音に誘われるかの如く、孤児院を抜け出してニューヨークへと辿り着く。生まれながらに音楽の才能が備わっており、様々なストリートミュージシャンたちに巡り会い、後に現代のモーツァルトと絶賛されるまでになる。凡人が神童を演じるのではなく、天才子役が天才を演じているのだから違和感なく鑑賞できる。音楽は音を楽しむと書きますが、本当に彼の屈託のない笑顔からは、音楽を思う存分楽しんでいるように感じられ、観ていてとても心地の良い空間を味わえる。そこにセンスのいい様々な音楽が流れ、ありえない奇跡的なストーリーにも関わらず、感情移入させられていき、自然と涙が溢れ出してきてしまう。まだ見ぬ両親に、会いたい想いを音にのせ願い続けるエヴァン。死産だと聞かされていた息子が生きていたことを知り、チェロに想いを込めて演奏する母親。出会った瞬間に惹かれ、離れ離れになってしまった女性に、一度は捨てたロックで再び会いたい願いを込めて歌う父親。3者が音に導かれていく光景は、胸と目頭を熱くしていく。不思議と音楽に酔いどれていってしまうのだが、その酔いから醒めた瞬間、内容に対して物足りなさが残ってしまう作品。ただ、音楽に関しては最高級の酔い心地を提供してくれた。◆映画ランキング◆

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2008.06.23 (Mon)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」★★★
原題:INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL
監督:スティーブン・スピルバーグ
製作:アメリカ、2008年
出演: ハリソン・フォード、ケイト・ブランシェット、シャイア・ラブーフ、カレン・アレン、レイ・ウィンストン、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント、他
CRYSTAL SKULL
世界各国をまたにかけた冒険を繰り返し、多くの財宝やそこに隠された秘密を解き明かしてきた、考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズ。そんな彼が、若き相棒と共にメキシコの古代マヤ文明の遺跡を巡る謎に挑む。【MovieWalker】

19年ぶりとなるシリーズ第4弾ですが、さすがにブランクは隠せないご様子です…。はじめてインディ・ジョーンズを見たのは小学生の頃だったと思う。テレビの放送をドキドキしながら見ていた記憶があるのだが、今回の作品に関しては、ハリソン・フォードのアクションを違った意味でドキドキしながら鑑賞してしまいました。どうも最近のハリウッドは脚本不足なのか、今ではご老体の過去のヒーローの皆様をとり上げてばかりいる。もう60歳を過ぎたおじいちゃんに、冒頭からガッカリさせられる。幼い頃にみた昔のインディは、もうそこにはいなかった…。設定も「最後の聖戦」から18年後ということになっているが、やはり正直な感想は老けてしまったというしかない。時代も米ソ冷戦下の1957年へと舞台が変化し、クリスタル・スカルを巡りソ連の精鋭部隊との激しい争奪戦を繰り広げていく。新旧の顔が入り混じり、前3作品のファンにとっては懐かしい顔もチラホラと見受けられる。その中でもマリオンが特に気になったのだが、やはりインディ同様、老けてしまったという印象がとても強い。新しい顔ぶれでは、シャイア・ラブーフ演じる反抗的な青年のマットと、ケイト・ブランシェット演じる世界制服を目論むソ連の工作員のイリーナが印象的。見所としては、ロズウェル事件などの過去の作品に関連してくるシーンや、ちょっとしたパロディー?なども盛り込まれている。見間違いでなければある場面で、R2-D2とC-3POとE.T.が…!?あまりボクのように、過去の作品に対する思い入れがなければ真新しい部分も感じられないのだろうが、ファンにとっては様々なシーンで共感できる作品だと思います。不思議とあのテーマソングを聴くと、自然と心がワクワクしてしまう自分がいる反面、今回の作品はあまり楽しめなかったのが残念でした。◆映画ランキング◆

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2008.06.19 (Thu)

JUNO/ジュノ

「JUNO/ジュノ」★★★
原題:JUNO
監督:ジェイソン・ライトマン
製作:アメリカ、2007年
出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、アリソン・ジャネイ、J・K・シモンズ、オリビア・サルビー、他
juno
16歳の女子高生ジュノが、同級生と興味本位で交わしたセックスで妊娠してしまう。中絶をあきらめた彼女は、赤ん坊の里親となる若い夫婦を見つけ出し、家族の協力を得て、知らないことだらけの出産に挑戦していく。【MovieWalker】

興味本位でセックスしたら妊娠してしまうという、なんともお粗末なお話…。アカデミー賞で作品・監督・主演女優・脚本の4部門にノミネート、脚本賞を受賞し一躍話題となった作品。脚本家のディアブロ・コーディは、ストリッパーから転進し、オスカー受賞で人気脚本家となった。これだけ話題になれば気にもなるのだが、いざ作品を観賞してみると、日本人には受け入れがたい内容のものでした。「ハードキャンディ」で14歳の現代の赤頭巾ちゃんを演じたエレン・ペイジが、今度は16歳の妊婦役を熱演している。簡単に内容を説明してしまえば、興味本位でセックスし、妊娠してしまい中絶を諦めて里親を探し、未知の世界である出産に挑み、少しずつ大人へと成長していく姿を描いている。避妊を知らない餓鬼がガキを産むという状況を、ボクはどうしても受け入れられない。そもそも、こういった10代の妊娠に対して受け入れられない理由として、ボクの住む街の現状がおおいに関係してくる。10代でのできちゃった結婚が多く、その逆で中絶も非常に多い。日本ではあまり里親を探すことはしないのだろうが、できちゃった婚し出産、数年後には離婚し、20代前半での母子家庭というのが目立っている。それだけならばまだマシだが、幼児虐待や、最近では幼い我が子を海に放り投げて殺してしまう悲惨な出来事などもあった…。そういう現実を日常から目の当たりにしていると、とてもじゃないがこの作品を楽しんで鑑賞することは到底できない。おそらくこの作品を楽しんで観賞するならば、全く逆の考えを持つ人でなければ楽しめない。当初は産む気すらなかったジュノが、里親を探すというアメリカの現状は、日本とは大きく異なっている。ジュノの父親、義母、友人などの登場人物たちとの台詞もなかなか興味深いものがある。ややブラックジョークや皮肉交じりのものが多く感じられるが、捉え方によっては理解できる部分も多い。何よりも、家族や友人、彼氏との心温まる触れ合いが微笑ましく感じられる。何事に対しても前向きで明るいジュノだが、繊細でとても傷つきやすい一面も持ち合わせている。そういう当たり前の少女の内面も映し出しているのには関心させられる。しかしながら、妊娠したにも関わらず、あっさりと産むことに賛成する両親の考えや、妊娠中子供をただのモノとしか捉えていない幼い発想や考えにだけはどうしても理解に苦しむ。ポップでキュートな演出や音楽は評価できるが、所詮は世間知らずの幼いガキの安易な考えという印象が強かった作品。鑑賞中、イライラする気持ちを抑えるのに疲れてしまいました…。◆映画ランキング◆

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2008.06.18 (Wed)

題名のない子守唄

「題名のない子守唄」DVD鑑賞★★★☆
原題:LA SCONOSCIUTA
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
製作:イタリア、2006年
出演:クセニア・ラパポルト、アンヘラ・モリーナ、マルゲリータ・ブイ、クラウディア・ジェリーニ、他
LA SCONOSCIUTA
イタリアのとある都市に現れた忌まわしい過去を持つ女、イレーナ。彼女は裕福なアダケル家にメイドとして雇われ、同家の4歳の娘テアと仲良くなる。しかし、そんなイレーナをしつこくつけ狙う、謎の男の影があった。【MovieWalker】

「ニュー・シネマ・パラダイス」、「マレーナ」などでお馴染みのジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多12部門にノミネートされたようなのだが、どこか火曜サスペンスやドロドロした昼ドラのような雰囲気をあわせ持つ作風。しかし、これが観始めると妙に惹かれていってしまい面白い。今回の作品はシチリアを離れて、詩人サバに「棘のある美しさ」と詠われた、北イタリアの港町トリエステ。この美しい街を舞台に、忌わしき過去を抱える美しい女・イレーナの、謎に満ちた人生を描いていく。冒頭から下着姿で仮面の女たちが登場するのだが、物語の経過とともにそこから数々の激しい性描写がフラッシュバックとして描かれている。SMなどのプレイも散りばめられている為に、女性を性のおもちゃとして描かれている部分が強調され、観る方によっては不快感を強く感じてしまうことだろう。不謹慎な発言かもしれないが、こういった過去を背負って生きている女性というものは、妙に惹かれる部分がある。主人公であるイレーナに対しても何処か緊迫感を持ちつつも、目的に対して手段を選ばずに行動していく姿に惹かれてしまう。情熱的で気性の激しい過去と、目的遂行の為に感情を殺している現在を、イレーナ役のクセニャ・ラポポルトが熱演している。全く別人のような一人の女性をここまで演じ分けできる演技力には脱帽です。序盤から謎だらけの展開ですが、少々杜撰な部分も正直見受けられる。しかし、クセニア・ラパポルトの演技力、エンニオ・モリコーネの奏でる音楽、美しい街などによって、最後までミステリアスな雰囲気を十分に堪能させられる作品。◆映画ランキング◆

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2008.06.17 (Tue)

WAIT FOR YOU

「ELLIOTT YAMIN/WAIT FOR YOU」★★★☆
WAIT FOR YOUWAIT FOR YOU
(2008/05/21)
エリオット・ヤミン

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彼の存在を知ったのは、確か去年だったと思う。仲良くさせてもらっているあるブロ友さんが、彼のことを紹介していたのがキッカケで当時興味を抱きました。あれから1年以上が経ちましたが、やっと日本デビューアルバムが先月発売されました。何気にラジオを聴いていたら、大好きな曲である「Wait For You」が流れていた。いつの間にやら来日までしており、ちょっとしたブームになっていることを知りビックリしてしまいました。改めて彼の歌声を聴いてみたが、心にストレートに響いてくる。なかなか歌声だけでここまで魅了されるアーティストが最近いなかっただけに、素直に彼の歌声を聴けるだけで幸せな気持ちになる。その一方で、彼の歌声はとても心を切なくもさせる。そんなエリオット・ヤミンがデビューするキッカケとなったのが、アメリカン・アイドルです。そこで惜しくも優勝は逃したものの、TOP3にランクされ、27歳の遅咲きでその手にチャンスを掴んだ。それまでの道のりは平坦なものではなく、糖尿病に苦しまされ、右耳の聴力もほとんどない状態…。そんな人一倍の苦悩を味わい、ハンデを背負いながらも前向きに人生に向き合い、チャレンジする姿が、彼の独特の歌声になり、聴くものの心に響いてくるのだろう。これからの彼の活躍に期待していきたいと思う。

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「Wait For You」アメリカン・アイドル映像

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2008.06.15 (Sun)

4分間のピアニスト

「4分間のピアニスト」DVD鑑賞★★★
原題:FOUR MINUTES
監督:クリス・クラウス
製作:ドイツ、2006年
出演:モニカ・ブライブトロイ、ハンナー・ヘルツシュプルング、スベン・ピッピッヒ、ヤスミン・タバタバイ、リッキー・ミューラー、他
FOUR MINUTES
老齢のピアノ教師クリューガーは、授業に訪れた刑務所で、問題児のジェニーと出会う。彼女の才能を認めたクリューガーは特別レッスンを施すが、コンテストの決勝を目前にして、ジェニーが暴力事件を起こしてしまう。【MovieWalker】

まさに天才と狂人は紙一重といった印象を受けてしまった…。ピアノという楽器を用いられた作品は数多く製作されているが、ピアノの音色と映画という空間は、不思議と絶妙なハーモーニーをかもし出しているように感じられる。無実の罪で捕らわれた天才ピアニストと、その類まれなる才能に出会った老婆の教師との、全くかけ離れた世代の二人の世界観をピアノという形で表現している。オーディションで役を勝ち取ったハンナー・ヘルツシュプルングが、一癖も二癖もある暴力的な女囚人・ジェニーを熱演している。彼女の演技というか顔を見ていると、どうもむかついてきてしまう。狂気に狂い、暴力的で横暴な性格が画面いっぱいに溢れ出し、野生の獣のような姿は今にも噛み付かれそうな雰囲気をかもし出している。根本的にこういった女性が好きではないので、どうも感情移入できない。これがもしも感情移入できたのならば、評価も変わってきたことだろう。一方、昔気質のお堅い老婆役を演じたモニカ・ブライブトロイですが、入念なメイクで年相応の雰囲気を演出している。自分自身をコントロールできない少女に、コンテストで優勝させる為にピアノを教えいく過程での心の変化というのに、あまり説得力を感じられなかったのが残念。個々に秘められた過去のトラウマに対する描写不足が痛い。全体を通してみても、どうもキレイにまとめ過ぎている様に思えてならない。ラストの4分間の演奏時間は、とてもダイナミックでいて衝撃的なのだが、物語の最後がどうも納得いくものではなかったように感じられる作品。◆映画ランキング◆

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2008.06.13 (Fri)

その名にちなんで

「その名にちなんで」DVD鑑賞★★★☆
原題:The Namesake
監督:ミーラー・ナーイル
製作;インド、アメリカ、2006年
出演:カル・ペン、タブー、イルファン・カーン、ジャシンダ・バレット、他
The Namesake
NYで生活を始めたインド人のガングリー夫妻が1児をもうけ、ゴーゴリと命名した。やがて成長し、建築家の道を歩み始めたゴーゴリは、その名前に託された意味や自らのルーツについて考えていく。【MovieWalker】

最近の子供達の名前は、当て字が多すぎて何と読むのかさっぱり分かりません。ピュリツァー賞受賞作家、ジュンパ・ラヒリの処女小説を映画化した作品。アメリカに移住した、あるインド人家庭の数十年に及ぶ異国の地での苦悩や葛藤を描き出している。人は産まれると名前をつけられる。大半は両親や親戚などの身内が名前をつけるものだと思う。主人公のゴーゴリも、そうして両親から名前を名付けられたのだが、その名前はかつて父であるアシュケが列車事故に巻き込まれた際に、奇跡的に生還に導いたある本の著者から名付けられたものだった。しかし時が経つにつれて、インド人でありながらアメリカで生まれ育ち、二つの異なる文化や風習などに取り巻かれていくゴーゴリ。そんな中、授業で彼の名前と同じ著者のことが題材にされたことをキッカケにして、彼は改名することに・・・。若さゆえの過ちと言ってしまえばそれまでの話だが、それから成長していき、恋愛や結婚、家族との確執や死などを経て、自分自身のアイデンティティーに次第と気付いていく姿は観ていて深く考えさせられるものがある。今まで忌み嫌っていた自分の名前に、親の夢や希望がたくさん詰め込まれていたことに気付く姿は感慨深い。自分はどれ程愛されこの世に産まれてきたのかと再確認させらることだろう。人間の深い愛情や、命についても考えさせられる作品。これまで抱いていた、インドの作品に対する変なイメージが、鑑賞後一変しました。ちなみにボクが幼い頃母親に名前の由来を聞いたら、「分からない」とあっさり言われてしまいました。。。◆映画ランキング◆

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